盆踊り

盆踊りといえば夏祭りの代表格ですが、太鼓や笛にのって、やぐらを囲んで輪になって踊ったり、踊りながら町中を流したり、そもそもどうしてお盆には盆踊りをするのでしょうか。
実は、盆踊りは単なるサマー・イベントではありません。その由来や楽しみ方を知っておくと、盆踊りの醍醐味が味わえます。

盆踊りイメージ

先祖の霊との別れを惜しむ踊り

本来、盆踊りはお盆に帰ってきた先祖の霊を慰める霊鎮め(たましずめ)の行事です。
原型は、死者を供養する念仏踊り(自分で念仏を唱えながら踊る)にあります。次第に念仏を唱える人と踊る人に役割が分化し、発展した踊り念仏が盂蘭盆(お盆のこと)と結びつき、精霊を慰めたり送り出すための行事になりました。今はお盆以外の時期に盆踊りを行うことがありますが、本来は旧暦7月15日の晩に盆踊りを行い、16日に精霊送りをするのもそのためです。

月明かりさす、人々の交流の場

盆踊りには娯楽的な要素もあります。みんなで集まって踊ることで、地域の結びつきを深めたり、また、帰省した人々の再会の場や、男女の出会いの場でもありました。盆踊りの歌詞に色恋ものやきわどい内容が多いのはそのためです。
本来、盆踊りの晩(旧暦7月15日)は満月ですから、照明のない時代でも明るく過ごせ、月の引力の影響で気分も高揚、子どもたちは無邪気にはしゃぎ、大人達は様々な思いを胸に踊りました。
楽しいだけではなく盆踊りになぜか切なさを感じるのは、祖霊になった人々との別れを惜しむ踊りであり、人の出会いや別れとともに過ぎ行く夏を惜しむ踊りだからです。
そのためでしょうか、楽しいだけではなくなぜか切なさを感じます。

どうやって踊ればいいの?

どの地方の踊りも、同じリズムの繰り返しが多く、踊っているうちに気持ちが高揚してきます。見ているだけじゃつまらない。踊ったほうが楽しいけれど、なかなか勇気が出ませんね。そこで踊りに加わるヒントです。

踊り方イメージ

基本動作を覚えましょう!

踊り手が決められている場合もありますが、基本的には誰でも参加できます。やぐらを囲んで輪になって踊る「輪踊り」と、町中を流して踊る「流し踊り」がありますが、大概同じパターンの繰り返しなので、基本を覚えれば大丈夫です。
見ているうちに自然と覚えられますが、故郷の祭りなら、親から子へ、祖父母から孫へ伝えてあげたいですね。もちろん、周囲の方も気軽に教えてくれますし、そこから交流もうまれます。あらかじめミニ講習会をしてくれるところもありますが、少々間違ってもそんなことはご愛嬌。気にすることはありません。

踊りのポイントは足!

ほとんどの盆踊りは、手の動きよりも足の動きを重視しています。これは、足・下半身の跳躍運動が神送りの意味をもつためで、天地の間にいる人間が地を踏むという動作には、霊を封じ込める鎮魂の意味があります。「踊」という字も足偏ですね。ちなみに、神迎えは手を重視した「舞」になります。

浴衣姿で美しく!

盆踊りの振り付けは浴衣が基本なので、洋服よりも浴衣で踊ったほうが美しく映えます。着ている本人も気分が出ますし、見ているほうも楽しいもの。ぜひ袖を通してみましょう。!

躍動するリズムにのって踊る高揚感は格別です。この盆踊りの醍醐味を、家族揃って味わってみてはいかがでしょうか。

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