鏡餅の飾り方

鏡餅の飾り方は、地域や家庭によっても違いがありますが、丸い餅を二つ重ねるのは基本。一般的な飾り方をご説明します。


鏡餅イメージ

鏡餅の飾り方と意味

一般的には、三方(さんぽう)と呼ばれる、折敷に台がついたお供え用の器に白い奉書紙、または四方紅(しほうべに)という四方が紅く彩られた和紙を敷き、紙垂(しで)、裏白(うらじろ)、譲り葉(ゆずりは)の上に鏡餅をのせ、昆布(こんぶ)、橙(だいだい)などを飾ります。
地方や家によって飾り方もいろいろあり、串柿、勝栗、五万米、黒豆、するめ、伊勢海老などの縁起ものを盛るところもあります。


鏡餅と一緒にお供えするものにも、それぞれ正月にふさわしい意味があります。思いを込めてお供えしましょう。

裏白

シダの一種で、表面は緑色で裏面が白い。後ろ暗いところがない清廉潔白の心を表す。
また、葉の模様が対になっているので、夫婦仲むつまじく白髪になるまでの長寿を願う。

譲り葉

新しい葉が出てから古い葉が落ちるので、家督を子孫に譲り、家系が続くことを表す。

昆布

よろこぶの意。古くは昆布の事を「広布」(ひろめ)と言い、喜びが広がる縁起もの。
さらに蝦夷(えぞ)で取れるので夷子布(えびすめ)と呼ばれ、七福神の恵比寿に掛けて福が授かる意味合いもある。また、「子生」(こぶ)と書いて子宝に恵まれるよう願う。

「代々」とも書く。果実は冬に熟しても落ちにくいため数年残ることがあり、1本の木に何代もの実がなることから、長寿の家族に見立てて家族繁栄、代々家が続くことを表す。

串柿

干し柿を串に刺したもの。柿は「嘉来」に通じる縁起もの。干し柿は「見向きもされない渋柿でも、修練の末には床の間の飾りにもなる」という高い精神性を表す。
串に刺した串柿は三種の神器の剣を表し、「鏡=鏡餅、玉=橙、剣=串柿」で三種の神器を表しているとも言われる。

鏡餅はどこに飾る?

年神様は鏡餅をお供えした場所に依りついてくださいますので、鏡餅は1つに限らず、複数お供えしてもかまいません。

まずメインの鏡餅を床の間へ、小さめのものを神棚や仏壇にお供えします。
床の間がない場合には、リビングのように家族が集まる場所に飾ります。テレビの上のような騒がしい場所や、見下すような低い場所ではなく、リビングボードの上などにきちんとお供えします。
供える方角は、その年の恵方、または南向き、または東向きがよいといわれています。
そのほかにも、台所、書斎、子ども部屋など、年神様に来ていただきたい大事な場所にお供えします。

鏡餅を飾るタイミングは?

昔は、多くの家で餅つきをしましたが、29日につくのを苦餅(苦持ち)、二重苦に通じるとして、また12月31日につくのを一夜餅といって嫌いました。
鏡餅を飾る日も、12月29日と31日を避けます。31日は葬儀と同じ一夜飾りに通じて縁起が悪いからです。従って、12月28日までに飾るか、遅くとも30日に飾りつける習わしがあります。
29をふくと読み、29日に餅つきをして福餅と呼んだり、福を呼ぶよう29日に飾るところもあります。
そして、1月11日の鏡開きで、お供えしていた鏡餅をさげて食べます。松の内が15日までという地域では、15日に鏡開きをする場合もあります。鏡餅は、供えたものを食べることに意義があるので、雑煮やおしるこなどにして必ず食べることが大切です。

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