2022年08月03日

夕涼み

近年、夏は大変な猛暑となっています。太陽が沈んでもなかなか気温は下がらず、1日中エアコンをつけて過ごすことも多いですね。それでも、比較的暑さが和らいだ日には、自然の力を利用して涼んでみてはいかがでしょうか。エアコンも扇風機もない時代、今ほどの暑さではなかったとしても、高温多湿で蒸し暑い日本の夏を乗り切るため、人々は様々な工夫をしていました。「夕涼み」もそのひとつです。

■昔ながらの「縁涼み」
夕涼みと聞くと、家の縁側や縁台で涼むイメージが浮かびます。昔は家の縁側や縁台などに座って涼むことが多かったので「縁涼み」ともいわれます。ひと風呂浴びてさっぱりとしたところで、縁側で夕涼み。おじいさんやお父さんが将棋を指したり、お母さんと子どもたちがおしゃべりしたり、そんな光景が頭に浮かびます。
現代では、縁側がある家も少なく、庭やベランダで、ということになるでしょうか。風のよく通るところにアウトドア用の椅子などを置いて座るのもいいかもしれません。

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■夕涼みは打ち水で涼しく
水辺の風景や噴水の水しぶきなどは、見ているだけで涼しさを感じますが、涼しい気がするだけでなく、水は実際に気温を下げてくれます。夕涼みの際に「打ち水」をすると、まいた水が蒸発するときに気化熱として熱が奪われ、温度を下げる効果があります。また、蒸発することにより、風が起き、涼しく感じることもあります。
日中はかえって蒸し暑くなることもありますが、夕方、日が陰ってきてから庭先や玄関先などに打ち水をすると効果的です。

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■暑さを避け涼しく楽しむ「納涼」
水があるところは涼しく感じられるということで、川風が気持ちよく吹く橋の上で涼む「橋涼み」も行われてきました。河川敷などで開催される「納涼花火大会」も大規模な夕涼みといえるでしょう。「納涼」とは、暑さを避けるため工夫をこらして涼しさを味わうこと。夏祭りや盆踊りも、疫病退散や祖霊供養をするほかに納涼が含まれています。また、屋形船などに乗って遊覧するのも納涼のひとつ。隅田川から東京湾をめぐる「納涼船」などは、川風、海風に吹かれて涼しさを感じながら東京の夜景を楽しむことができます。

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