7月18日から22日までは七十二候の「鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)」。鷹の子が飛ぶ技を覚え、巣立ちを迎える頃です。
日本で鷹といえば大鷹をさすことが多いようです。南西諸島などをのぞく日本各地に生息し、山地の森林や里山の森などで繁殖します。4~5月頃に産卵し、5~6月頃に孵化し、孵化した雛は1か月ほどで親鳥と同じぐらいの大きさとなり、6~7月には巣立ちの準備を始めます。飛び方を覚え、狩りを学んで1か月もすると、親のもとから巣立っていきます。
日本に生息する猛禽類の中で食物連鎖の頂点に立つのが大鷹。からだの大きさはカラスと同じくらいですが、鳩やムクドリなどの鳥を空中で捕えて食べます。その狩猟能力の高さから、古くから鷹狩りが行われてきました。
日本書記によると鷹狩りは4世紀、仁徳天皇の時代に百済から伝わったと記されています。以来、鷹狩りは天皇家や公家、将軍や大名などの武家の特権となり愛好されてきました。
鷹狩り用の鷹を飼育、訓練する役職を「鷹匠」と呼び、狩りにも随行しました。江戸時代には幕府・諸藩の職制として位置付けられ、現在も宮内庁に「鷹匠」という役職が残っており、公式には宮内庁の鴨場を管理する職員の役職をさします。
一方、一般に鷹の調教や飼育を行う人も「鷹匠」と呼ばれています。また、訓練方法や道具によって流派がありますが、NPO法人の日本放鷹協会や日本鷹匠協会などが技術を伝えています。
「鷹狩り」は正式には「放鷹(ほうよう)」と言います。鷹匠と呼ばれる人たちは、狩りや催しでの実演に加え、最近は害鳥駆除や追い払いもしているそうで、カラスやムクドリなどの被害に悩んでいる地域で効果を上げているそうです。
【季節のめぐりと暦】七十二候
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