日々の便り

2015年07月22日

花火大会の掛け声はなぜ「かぎや~」「たまや~」というの?

7月23日から二十四節気の「大暑」。最も暑さが厳しいころという意味です。
七十二候では、「桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)に入ります。桐の花が実を結び始める頃。桐は成長が早いので、昔は女の子が生まれると庭に桐を植え、結婚するときにそれで箪笥を作ったりしたそうです。また、古来より鳳凰の止まる神聖な木とされ、家紋や紋章のデザインにも多く取り入れられています。

さて、夏本番のこの時期、日本各地で花火大会が盛大に行われます。都内だけでも、7~8月の間に20か所以上で開催される予定です。中でもひときわ盛大なのが7月25日(土)に行われる隅田川の花火大会。第一会場、第二会場合わせて約2万発の花火が打ち上げられます。
江戸時代、江戸では花火が大流行しました。花火による火事も多かったため、花火をあげるのは大川端(隅田川)のみに限定されていました。享保17年の大飢饉で多くの死者が出たため、翌年の川開きで慰霊と悪疫退散を祈願する水神祭が催され、盛大に花火が披露されました。これが「両国川開き花火」(隅田川花火大会の原型)の始まりです。

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この両国川開き花火で活躍した花火師が、「玉屋」と「鍵屋」。川の上流を「玉屋」、下流を「鍵屋」が担当し、二大花火師の競演となりました。これを応援するため「たまや~」「かぎや~」と掛け声をかけたのです。
ところが、「玉屋」は不運なことに火事を起こし、江戸を追放されてしまいました。しかし、今も「たまや~」の掛け声のほうが多く、その後も掛け声の代名詞として残っています。その理由のひとつは花火の技術が勝っていたから。もうひとつは、語呂がよく掛け声を掛けやすかったから。そして、儚いものをいとおしむ江戸っ子気質がそうさせたからともいわれています。「鍵屋」は、現在は女性当主が鍵屋15代目として活躍中です。

花火大会は、これからまだまだ各地で行なわれますから、小粋に浴衣でも着て、出かけてみませんか。
せっかくですから、花火の種類も知っておくと、花火見物がますます奥深くなってくるかもしれません。花火は大きく分けると、打上花火、仕掛花火、おもちゃ花火(玩具花火)の3種類に分けられます。詳しくはこちらをご覧ください。

【暮らしのまつり・遊び】花火
http://i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_natsu/hanabi/
【季節のめぐりと暦】二十四節気
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/index.html
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/index.html

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