日々の便り

2015年09月07日

菊の花の香りと朝露で長寿を願う「菊の被綿」

9月8日は二十四節気の「白露」。秋が深まり、草花に朝露がつきはじめる頃という意味です。七十二候では「草露白(くさのつゆしろし)」となり、草に降りた露が白く光って見える頃で、朝夕の涼しさが際立ってきます。本格的な秋の到来です。

そして翌9月9日は重陽の節供。菊を用いて長寿を願うため、菊の節供とも呼ばれています。 菊といえば晩秋の花という印象ですが、旧暦の9月9日は今の10月中頃にあたり、重陽の節供はまさに菊の美しい季節でした。旧暦が新暦に替わって季節感が合わなくなり、次第に廃れてきましたが、寿命を延ばすと信じられていた菊を使って、いろいろな風習が伝えられています。

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そのひとつが「菊の被綿(きせわた)」です。重陽の節供では、前日に菊の花に綿をかぶせておき、菊の香りや朝露を含んだ綿で肌を拭いて、長寿祈願をしていました。もし、身近に菊の花が咲いていたら(生け花でもいいかも)、8日のうちにそっと綿を被せておくといいですね。翌日には露や香りがほんのり移り、長寿祈願ができそうです。

この他にも、湯船に菊を浮かべた「菊湯」に浸かったり、菊を入れた「菊枕」で眠ったりする風習があります。現在でも、菊はハーブバスやアロマテラピーに用いられています。伝統の行事から今風のいろいろな楽しみ方まで、菊の楽しみ方はいろいろあります。いくつかの例をご紹介していますので、参考にしてくださいね。

【季節のめぐりと暦】二十四節気
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/
【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしを彩る年中行事】菊づくし
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