11月27日から、七十二候では「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」になります。「朔風」とは北風のことで、木枯らしが木の葉を吹き払う頃という意味です。
空気も乾燥してきました。風邪などひかないように注意しましょう。
ところで、冬になると空気が乾燥するのはなぜでしょうか。
気温が上がると水蒸気が発生して、湿気を感じますね。その反対に、気温が低くなると、空気中に溶け込む水分量が低下して空気が乾燥した状態になるのです。寒いと洗濯物が乾きにくくなるのは、洗濯物の水分が空気中に溶け込みにくくなるからです。
冬、特に乾燥するのが太平洋側の地域。大陸から吹く冷たく乾燥した季節風が、暖かい日本海を渡る際に海面から熱と水蒸気を補給して雪雲を発生させます。この雲が日本列島の山脈を越えられず、日本海側に雪を降らせます。雪を降らせたあとの乾燥した季節風が太平洋側へ吹いてくるので、太平洋側では乾燥した晴天が続くことになります。
ところで、地面に落ちた枯葉を見て、皆さまは何色と感じますか?日本には地味な枯れ葉にも「朽葉色(くちばいろ)」という風流な名前があります。平安時代からの伝統色で、黄染に浅い紅花染を施した、少し赤みがかった褐色だそうです。
しかも、色調によって「赤朽葉」「黄朽葉」「青朽葉」「濃朽葉」「淡朽葉」と様々に呼び分けていたそうですから、日本人の感性ってすごいですね!
また、伝統色は地味な色ばかりではなく、鮮やかな色もたくさんあります。それらが見事に調和するのは、天然染料の色だから。自然界の色が調和しているように、その色だけが飛び出してくることがないのです。
和室が落ち着くのも日本の伝統色が活かされているからだといいますから、身の回りで日本の伝統色を見つけてみるもの面白そうです。
【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしの中の歳時記】日本の伝統色
https://www.i-nekko.jp/chie/kotoba/2018-060613.html
2015年11月26日