12月の和風月名は「師走」。子どもの頃「先生も走るくらい忙しい時期」だから「師走」と教えられた気がしますが、これは由来の一つ。
平安時代に師僧(師匠である僧侶の意味)が馳せる時期だから「師馳す(しはす)」が「しわす」になったという説や、年が果てるという意味の「年果つ(としはつ)」が変化したという説、四季が果てる月を意味する「四極(しはつ)」が変化したという説など諸説あります。どれも1年が終わることを感じさせる言葉ですね。私たちも普段の仕事に加えて、大掃除や年賀状書きなど、いろいろ忙しい時期。体調に気をつけながら頑張りましょう!
さて、冬の味覚といえば鍋物。みんなで鍋を囲めば身も心も温まりますね。
普段は料理をしないお父さんが「鍋奉行」に変身し、あれこれ指図して大張り切りという姿もよく見られます。
日本にはもともと囲炉裏を囲んで煮炊きをして食事もするという「囲炉裏文化」がありましたが、囲炉裏にかける大鍋が、小鍋に変化して食卓に出されるようになったのが鍋物の始まりです。鍋物の歴史は意外と新しく、今のような形で鍋物を楽しみ始めたのは江戸時代になってから。江戸時代は、庶民が食を楽しめるようになった時代で、おでんのルーツとなった田楽を出す茶飯屋や、湯どうふやあんこう鍋の店など、さまざまな鍋物屋ができました。おいしさだけでなく和やかで楽しい雰囲気も人気の理由のひとつでしょう。
おでんやすき焼き、寄せ鍋などの定番鍋の他、地方色豊かな食材を使ったお国自慢の鍋など、鍋物の種類は数え切れないほどあります。また、この冬は「キムチ鍋」×「豆乳鍋」などのように2種類のメニューを掛け合わせた「ハイブリッド鍋」なるものも流行っているそうです。味付けや具材のバリエーションは限りなく、調理も簡単で、栄養のバランスも良い鍋料理。「鍋奉行」なら知っておきたい鍋物のコツもご紹介しています。
【季節のめぐりと暦】和風月名
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【季節のめぐりと暦】七十二候
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【四季と行事食】鍋物と鍋奉行
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2015年11月30日