「新年を迎える準備シリーズ」第12回は、「お年玉」についてご紹介します。
「お年玉」といえば、今では子どもたちへ渡すお正月のおこづかいになっていますが、もともとは年神様から新年に授かる「新しい魂」を「年魂(としだま)」といいました。
いまでは誕生日がくるとひとつ年を取りますが、かつては正月に年神様から「年魂」をもらってみんなひとつ年をとったのです。これが数え年という年齢の数え方で、年神様から「年魂」をいただく、これが本来のお年玉です。
では、どうやっていただいたのでしょうか。
それは、年神様に供えた丸餅を食べることでした。年神様に供えて、御魂(みたま)が宿った餅玉を、家長が家族に分け与えた「御魂分け」が始まりです。この餅玉を「御年玉」「御年魂」と呼んだことから「お年玉」といいます。この餅を食べるための料理が雑煮なのです。
毎年、お年玉を楽しみにしている子どもたちが、正月にお雑煮を食べると、すでに本来のお年玉をもらったことになっているなんて聞いたら「ええ~~~っ」と驚くでしょう。お年玉の形は変わっても、本来の心は受け継いでいきたいものですね。
また、「お年玉」は家長から家族へ、主人から使用人へ、師匠から弟子へというように、目上の人から目下の人へ渡すものです。新年に目上の方に何かをさし上げる場合には、「御年賀」「御年始」とします。
【暮らしを彩る年中行事】お正月
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2015年12月28日