日々の便り

2016年02月23日

七十二候「霞始靆」は春霞たなびく頃。梅の花も見ごろに。

2月24日からは七十二候の「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」。春霞がたなびき始める頃という意味です。都会では春霞といってもピンとこないかもしれませんが、朝方や昼間に遠い山などを眺めると、景色がぼやけて見えることがあります。
霞と霧と靄(もや)、混同されることも多いと思いますが、霧は「微小な浮遊水滴により視程が1km未満の状態」、靄は「微小な浮遊水滴や湿った微粒子により視程が1km以上、10km未満となっている状態」という定義があります。それに対して霞は気象観測の定義がないので、気象用語としては使われないそうです。ますます、わかりにくくなってしまったかも......。

霧や靄はかかる、立ちこめるといいますが、霞はたなびくといいますね。日本人の繊細な感性がその違いを感じ取ってきたのでしょう。
そして夜になると霞とはいわず、朧(おぼろ)となります。空を見上げるとお月様が霞んで見えることがありますね。「朧月(おぼろづき)」と呼ばれる春のお月様です。

さて、春の到来を告げる梅の花が咲き始める頃となりました。その凛とした姿に寒さがやわらいでいくのを感じます。梅は、「花よし、香りよし、果実よし」と三拍子揃った花木。しかも「松竹梅」でおめでたいものの一つとされています。

pixta_6716663_S梅と鶯.jpg

梅の便りが聞こえてくると、思い浮かぶのが「梅に鶯」の2大モチーフ。昔から取り合わせの良いものの例えとされ、梅も鶯もめでたさを象徴しています。鳥や虫がその年に初めて鳴く声を「初音(はつね)」といい、春先に「ホーホケキョ」と優雅にさえずる鶯は、別名「春告げ鳥」とも呼ばれています。

そして、2月25日は菅原道真の忌日。道真を祀る京都の北野天満宮では「梅花祭」が行われます。かつては「北野菜種御供(きたのなたねごく)」として、ご祭神を「なだめる」と音の通じる「菜種の花」を献じましたが、明治以降は菜の花がない時期となり、道真が好んだという梅を代わりにするようになりました。季節によっては雪中梅を鑑賞することもできるそうです。

古くから愛されてきた梅の花は、全国に名所がたくさんあり、梅まつりも開催されています。
訪れてみるのもいいですね。

【暮らしのまつり・遊び】梅の花・梅まつり
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【暮らしの中の歳時記】梅・桃・桜の見分け方
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