4月8日または月遅れの5月8日には「花祭り」が行われます。
正式には「灌仏会(かんぶつえ)」、「仏生会(ぶっしょうえ)」と呼ばれる行事で、仏教の開祖お釈迦様の誕生日とされています。
花いっぱいの「花御堂」にお釈迦様の誕生の姿を表した「誕生仏」が飾られ、その頭上から甘茶をかけてお参りしますが、この日に振る舞われた甘茶を飲むと、無病息災になるといわれています。なぜ誕生仏に甘茶をかけるのか。また、誕生仏の姿が表す教えについてなど、詳しくはこちらをご覧ください。
【暮らしを彩る年中行事】灌仏会
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_haru/kanbutsue/
多くの方が日常では仏教とあまり接点がないといいますが、実は身近な言葉の語源になっていることも多く、私たちの生活に深く根付いています。
例えば
「有頂天」=仏教の三界(無色界、色界、慾界)の頂点(無色界)を指し、調子に乗って良い状態から落ちないように戒める言葉。
「ありがとう」=たくさんの生き物の中で人間に生まれるのは非常に確率の低い「有り難い」ことなので、人として生まれたこと自体に感謝しなさいという教えによるもの。
「経営」=「自分自身をどう生かすか」という仏教用語。
「往生」=極楽浄土に往って生まれ変わるという意味。
「玄関」=奥深い仏の道への入り口という意味。
など、ちょっと意外ですね。
また、4月9日からは、七十二候の「鴻雁北(こうがんかえる)」です。燕が南からやって来る季節には、北に帰って行く鳥もいます。雁もそういう渡り鳥で、夏場をシベリアで過ごすため、渡って行きます。
青森県津軽の外ヶ浜付近では、浜に打ち寄せられた木片を集めて風呂を焚く風習があり、「雁風呂(がんぶろ)」といいます。この地方に伝わる民話によると、秋に雁が海を渡って来るとき、海面に浮かべて休むための小枝を1本くわえて来るそうです。浜に着くと小枝を落とし、次の春、また北へ帰るとき、同じ小枝を拾って帰るのだそうです。ところが、雁たちが小枝を落とした浜には、春になっても拾われない小枝が残ります。それは冬の間に死んでしまった雁たちのもの。浜の人たちは供養のためにその枝で風呂を焚き、旅人たちに振る舞ったということです。じんわりと心に残るお話ですね。
「雁風呂」は春の季語や、落語の一席にもなっています。
【暮らしを彩る年中行事】灌仏会
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_haru/kanbutsue/
【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
2016年04月07日