土用とは、立春、立夏、立秋、立冬前の18日間(または19日間)のことをさします。季節の変わり目にあたることから様々な風習がありましたが、特に夏の土用は梅雨明けと重なることが多く、暑さも厳しいために重要視され、土用といえば夏の土用をさすことが多くなりました。
蒸し暑いこの季節、酢醤油の酸味が爽やかな心太や、つるんとしてのど越しの良い寒天を使った料理やデザートが、目にも涼やかで食欲をそそりますね。
心太も寒天も、昔から日本人に愛されてきた日本の伝統食品です。
心太が大陸から日本に伝わったのは仏教伝来の頃、精進料理のこんにゃくなどとともに製法が伝えられたといわれているので、1400年以上も前ということになります。寒天ができたのは江戸時代になってから。偶然、心太が凍ってフリーズドライ状態になったことから寒天が作り出されました。
ところで「心太」と書いてなぜ「ところてん」?
心太は、天草(てんぐさ)という海藻を煮溶かし、冷まして煮凝らせたもの。
そこで、天草は煮凝る藻ということで「凝海藻(こるもは)」「凝海藻葉(こごるもは)」と呼ばれ、煮凝ったものは「こころふと」と呼ばれて「心太」という漢字が当てられました。その後、上の漢字を訓読み、下の漢字を音読みする湯桶読みから「こころてい」と呼ぶようになり、「ところてん」に変化したといわれています。
心太も寒天も、食物繊維やミネラルが豊富。生活習慣病予防にも役立つといわれるヘルシーな食品です。夏の涼味、心太や寒天デザートなどで、おいしく涼をとってみませんか。
【季節のめぐりと暦】雑節
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/index.html
【季節のめぐりと暦】土用
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/doyou/index.html
【食の歳時記・旬の味】夏の涼味―心太(ところてん)と寒天
https://www.i-nekko.jp/mikaku/mikaku_natsu/2018-052605.html
2016年07月18日