7月30日は「土用の丑の日」。土用の丑の日には「う」のつく梅干し・うどん・うりなどを食べて夏バテ防止をする風習がありますが、「鰻」はまさに疲労回復効果抜群の食べ物とされていました。
『万葉集』に大伴家持が痩せこけた知人の夏痩せ防止に鰻を勧める歌があり、かなり古くから鰻が夏バテ防止に効く食べ物として注目されていたことがわかります。
最近は高級品になってしまった鰻ですが、蒲焼きも良し、白焼きも良し、ひつまぶしなどにするのも良いですね。
「う」のつく食べ物以外でも、土用しじみ、土用卵、土用餅などを食べる習わしがあります。
こうした土用の習わし以外にも、夏バテ防止に良いとされる食べ物は、いろいろありました。最近、その良さが見直されて手軽なドリンクとして店頭に並ぶようになった「甘酒」もそのひとつです。
実は甘酒は、日本書紀にも記述がある古墳時代からの飲み物。冬場のものと思われていますが、江戸時代には、手軽な栄養ドリンクとして親しまれていました。栄養豊富な甘酒は夏バテ防止になり、体力回復に効果的だとして、冷やしたものや熱したものを暑気払いに飲む習慣があり、江戸時代には夏の風物詩だったそうです。俳句では「甘酒」は夏の季語にもなっています。
また、土用の丑の日には、夏バテ防止や疲労回復のため、薬草を入れた風呂に入る風習があり、これを「丑湯」といいます。ドクダミや緑茶などさまざまな薬草が用いられましたが、江戸時代は桃の葉を入れた桃湯を丑湯としていたそうです。
今夜は、ぬるめのお湯に好みの入浴剤を入れて、手軽に「丑湯」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【四季と行事食】土用の丑の日・鰻の話
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【四季と行事食】昔の人のスタミナ源
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【食の歳時記・旬の味】ひつまぶし
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【暮らしの中の歳時記】丑湯
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_natsu/2018-071810.html
【季節のめぐりと暦】土用
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/doyou/index.html
2016年07月29日