日々の便り

2016年11月16日

七十二候「金盞香」。寒さに負けず健気に咲く「水仙」

11月17日から、七十二候では「金盞香(きんせんかさく)」になります。「きんせんか」といっても、春に咲くキク科のキンセンカのことではなく、水仙をさします。「金盞」とは金の盃のことで、水仙の黄色い冠がまるで金の盃のようなので、こう呼ばれます。水仙が芳しい香りを放つ頃です。

日本では、水仙は春を告げる草花として古くから親しまれています。
単に「スイセン」というと「ニホンスイセン」を指すことが多く、12月から2月頃の寒い季節に雪の中でも健気に咲くので「雪中花(せっちゅうか)」とも呼ばれます。1月の花にもなっており、春の訪れを告げる花として、正月の飾りに使われることも多いです。

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原産は地中海沿岸からアフリカ北部で、園芸品として色や形の異なる多くの種類があります。観賞用に全国で栽培されるほか、 日本各地に群生地がありますが、その多くが海岸近くです。日本水仙三大群生地といわれているのは千葉県鋸南町、兵庫県淡路島、福井県の越前海岸付近です。

千葉県鋸南町の「江月水仙ロード」は、町道の両側に3kmにわたって水仙が咲き乱れ、人気のハイキングコースになっています。
淡路島の灘黒岩水仙郷や立川水仙郷は、海岸へ向かう急斜面に数百万本の水仙が咲き、壮観です。
福井県の越廼村から越前岬あたりにかけては、水仙ランドなど水仙を楽しめる施設が多数あり、特に越前海岸の山沿いの梨子ヶ平付近の段々畑は見ごたえがあります。

親しみやすい水仙ですが、実は毒のある植物です。特に葉や球根は毒性が強く、食べると悪心、嘔吐、下痢などの食中毒症状を起こしたり、触ることで皮膚炎になったりすることがあります。葉がニラやノビルに、球根が玉ねぎに似ているので間違って食べてしまう例がよくあるそうですから、気をつけてください。

【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/

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