日々の便り

2016年12月25日

年神様に供える「おせち料理」の由来

12月26日から七十二候の「麋角解(さわしかのつのおつる)」になります。「麋」は大鹿のことです。鹿の雄は春に角が生えはじめ、冬のこの時期になると角が脱落します。

さて、お正月ならではのごちそう、「おせち料理」。美しく詰められた重詰めなどを見ると一気に正月気分が盛り上がりますね。しかし、「おせち料理」は、もともとは正月だけのものではありませんでした。正月のほか、桃の節供や端午の節供などの季節の節目に行う節供の料理全般を「御節供(おせちく)」「御節料理」と呼んでいました。やがて節供の中でも正月が一番重要だということで、「正月に年神様にお供えする料理」をさすようになり、「おせち料理」と呼ぶようになりました。

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年神様へのお供え料理ですから、五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全、無病息災、長寿などの祈りを込めて、縁起の良い海の幸、山の幸を豊富に盛り込みます。そして、年神様に供えたものを食べることで、年神様の力を体内に取り入れようとしたのです。
年神様はご先祖様でもあると考えられていたので、地元で採れた食材を使って、毎年同じ料理をお供えするようになったといわれています。

お重箱に詰めるのは、めでたさが重なるように。また、三が日はかまどの神様にも休んでいただくため、おせち料理は作り置きできるものが中心で、それをお重箱に詰めておくと保存がきいたということもあるようです。

おせち料理にはさまざまな料理が入っており、栄養のバランスが良く、保存もきいて、まさに先人の知恵の結晶といえる料理ばかり。特別なことがなくても、例年どおりに家族でおせち料理を囲めることが何よりの幸せだと感じています。

【暮らしを彩る年中行事】お正月
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