おせち料理は、正月に年神様にお供えする縁起物の料理ですから、料理の一つ一つにも縁起の良いいわれがあります。子どもの頃、おせち料理を食べながら、母親から聞かされたいろいろなおせち料理のいわれ・・・。案外、忘れないで覚えているものです。
例えば、関東では「数の子・田作り・黒豆」を正月に欠かせない「三つ肴(みつざかな)」としていますが、数の子は子宝に恵まれますようにと「子孫繁栄」、田作りはイワシが田畑の肥料だったことから「五穀豊穣」、黒豆は「マメに働き健康であるように」などの願いが込められています。
関西の三つ肴は黒豆ではなく、たたきごぼうを加えます。たたきごぼうは、ごぼうのように「深く根を張り代々続くように」。また、たたいて開き開運を願います。
三つ肴以外の定番おせちでは、「蒲鉾」の半円形は日の出(年神様)を表し、紅白蒲鉾にすることで、紅は魔除け、白は清浄を表しています。
「伊達巻」は、昔の伊達者(シャレ者)たちの着物に似ていたので伊達巻と呼ばれるようになったといわれていますが、巻き物が書物や掛軸に通じることから、知識や文化の発達を願う意味があります。
「昆布巻」は「喜ぶ」にかけ、「栗きんとん」の栗は「勝ち栗」と呼ばれる縁起もの。きんとんは「金団」と書き、黄金色で縁起が良く蓄財につながるとされています。
この他のおせち料理のいわれについても、「暮らし歳時記」のページでご紹介していますので、ぜひご覧ください。どの料理のいわれにも先人たちの自然に対する感謝の念や、家族を大切に思う気持ちが込められているように感じます。
お子さんやお孫さんたちとお正月を過ごされる方は、ぜひこのいわれをお話してあげてくださいね。おせち料理の由来を知って食べれば、子どもたちにもさらに良い1年がやってくることと思います。
【暮らしを彩る年中行事】お正月
https://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/shinnen_junbi/
【四季と行事食】おせち料理のいわれ
https://www.i-nekko.jp/mikaku/mikaku_fuyu/osechiiware/
2016年12月26日