日々の便り

2017年01月29日

七十二候の最終候「鶏始乳」。酉年の「酉」と「鶏」の関係は?

1月30日から七十二候の「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」になります。春の到来を感じた鶏が鳥屋に入って卵を産み始める頃という意味です。本来、鶏の産卵期は春から夏にかけて。冬は産卵をしなかったのです。

今年は酉年。十二支の酉は、動物にあてはめると「鶏」なので、年賀状にも鶏の絵が多くみられたのではないでしょうか。しかし、もともと十二支は動物には関係ありませんでした。諸説ありますが、十二支の文字はもともと植物の実りなどの意味を表しているといわれます。では、なぜ動物があてはめられたのか?庶民に広く普及させるために覚えやすくしたという説がありますが、これもはっきりとしたことはわかっていません。

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鶏は鳴いて夜明けを告げるため、中国では吉兆をもたらす動物です。日本には弥生時代に伝来し、霊的な力を持つ鳥として神聖視されていました。天岩戸の神話では、天岩戸に隠れてしまった天照大神をなんとか外に出そうと様々なことが試されますが、その中のひとつが「常世の長鳴き鳥(=鶏)を鳴かせてみる」ということでした。

そんな神聖視され、主に愛玩用とされていた鶏も江戸時代になると、採卵目的で飼われるようになりました。無精卵が孵化しないことがわかり、仏教で禁じられていた殺生にあたらないと解釈されたことがきっかけで、卵料理もいろいろ作られるようになりました。
寒い季節、「風邪かな?」と思ったら、昔ながらの温かい「たまご酒」もおすすめです。作り方をご紹介しています。
【食の歳時記・旬の味】たまご酒
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さて、「鶏始乳」は七十二候の最後の候。次は「東風解凍」となり、二十四節気では「立春」を迎えます!鶏が、冬の終わりと春の到来を告げてくれているかのようですね。

【季節のめぐりと暦】七十二候
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