6月11日は「入梅」。農作業や暮らしの大切な目安とされていた雑節のひとつです。昔は、芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日、立春から135日目などとされていましたが、現在は太陽の黄経が80度に達した日とされています。実際の梅雨入りは各地で違い、目安とされるのは気象庁の発表する「梅雨入り宣言」です。関東地方は7日に梅雨入りし、今年は平年より1日早く、昨年より2日遅い梅雨入りとなりました。
雨が多いこの時期、「明日は絶対晴れてほしい」というときに登場するのが「てるてる坊主」。子どもの頃、運動会や遠足の前日に軒下にぶら下げた思い出がある方も多いでしょう。
このてるてる坊主、由来には諸説ありますが、そのひとつに中国の「掃晴娘(そうせいじょう/サオチンニャン)」という人形がもとになったという説があります。赤い服を着て箒(ほうき)を持った女性の紙人形で、雨が続くときに軒下につるして、晴天を祈りました。持っている箒で雨雲を掃き、晴れと幸せを呼んでくれると考えられていたそうです。
この風習が江戸時代に日本に伝わり、「てるてる法師」と呼ばれていたのが「てるてる坊主」になったといわれています。女性の人形が男性に変化した理由ははっきりしませんが、人形の形が頭を丸めた坊主のようだったから、日照りを願う僧侶が男性だったからなどと考えられています。
また、七十二候では「腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)」になります。草の中から蛍が舞い、光りを放ち始める頃。昔は腐った草が蛍になると考えられていたそうです。
6月は各地で蛍の観賞イベントなども行われています。蛍狩りについて詳しくはこちらをご覧ください。
【暮らしの中の歳時記】蛍狩り
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_natsu/hotarugari/
【季節のめぐりと暦】雑節/入梅
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/nyuubai/
【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
2017年06月10日