12月2日から七十二候では「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」になります。橘の実が黄色く色づき始める頃です。橘は古くから自生している日本固有の柑橘類です。ミカン科の植物ですが、昔は柑橘類の総称として様々なミカン類を合わせて「橘」と呼んでいたようです。
橘は葉が枯れることのない常緑樹で、永遠の象徴とされ、その実は「不老不死」の実として「日本書記」にも登場しています。平安京の頃から京都御所紫宸殿(ししんでん)の南庭に植えられ、「右近の橘」と称されるなど古くから珍重されてきました。その悠久性、永遠性が文化の永久性に通じることから、文化勲章のデザインに採用されたといわれています。
また、12月2日・3日は「秩父夜祭」が開催されます。埼玉県秩父市の師走の名物で、京都祇園祭、飛騨高山祭とともに、日本三大曳山祭のひとつとされています。
秩父夜祭は、秩父神社の例大祭で、江戸時代の寛文年間より300年余りの歴史があります。江戸時代には秩父絹市が立ち、お蚕祭りとも呼ばれたそうです。今は絹市は立ちませんが、豪華な屋台や笠鉾が、屋台囃子とともに曳き回される姿は勇壮で、国重要有形民俗文化財でもあり、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。
2日は宵宮、3日が祭り本番の大祭です。早朝から翌朝まで、屋台・笠鉾が巡航し、祭りは最高潮に。ご神幸行列が秩父神社を出発する午後7時頃には、花火が打ち上げられ、珍しい冬の花火も楽しめる祭りです。
【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【季節の行事】秩父夜祭
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_fuyu/2018-112610.html
2017年12月01日