日々の便り

2018年05月30日

七十二候「麦秋至」。五穀の一つ「麦」が豊穣を迎える頃

5月31日から七十二候では「麦秋至(むぎのときいたる)」です。
麦畑が黄金色に色づき、収穫時を迎えます。季節は梅雨にさしかかるところですが、麦の穂が実り始める頃なので、麦にとっては実りの秋に相当します。「麦秋(ばくしゅう)」は夏の季語で、黄金色の波のように穂を揺らす風を「麦の秋風」といいます。

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日本では、麦の種蒔きは秋から初冬にかけて行われます。秋蒔きの麦は、寒い冬を越さないと穂を出さない性質があるからです。芽が出てある程度成長したところで行われるのが日本独特の農法である「麦踏み」。麦の上からぱらぱらと土をかけ、麦をしっかりと踏みつけます。踏むことで、霜柱で根が切れたり風で土が飛ばされたりするのを防ぎ、また、踏まれた刺激で寒さに強くなり、分けつ(茎が何本にも増えること)も進みます。
そして、初夏の頃、収穫の時を迎えます。麦は雨に当たると穂の状態のままで発芽してしまうので、梅雨に入る前に収穫しなければなりません。
二毛作の農家では、麦を刈り取った後に田植えが始まり、稲刈りが終わった秋になるとまた、麦の種蒔きが行われます。

さて、5月下旬から6月にかけて各地で鮎釣りが解禁になり、釣り人たちが楽しみにしていたシーズンが始まります。鮎がぴちぴちとはねながら渓流を遡上する様子は、初夏の風物詩。清流に棲むことも、柳の葉のようにスマートなスタイルにも気品が感じられ、絵画などにも用いられています。若鮎は塩焼きが美味。まさに初夏の味覚です。

【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【季節の行事】鮎釣り
https://www.i-nekko.jp/gyoji/2018-052210.html

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