日々の便り

2019年09月08日

「菊づくし」と秋の味覚で楽しむ「重陽の節供」

9月9日は五節供のひとつ「重陽の節供」です。
「重陽」とは聞きなれない言葉ですが、良いことを表す陽数(奇数)の中でも一番大きな「9」という陽数が重なるという意味で、9月9日を陽が重なる「重陽の節供」と定め、不老長寿や繁栄を願うようになりました。
旧暦のこの頃は菊の花の時季であり、重陽の節供には邪気を祓う高貴な花とされる菊を用いた行事がたくさんあり「菊の節供」ともいわれています。平安貴族の間では、「菊酒」や菊の「被せ綿(きせわた)」、「菊湯」「菊枕」など、菊を使った「菊づくし」で重陽を祝いました。

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私たちも今風にアレンジした「菊づくし」で、重陽の節供を楽しんでみましょう。本来の「菊酒」は菊の花を焼酎に漬け込んだり、菊の花びらを浸した水で仕込んだお酒だそうですが、清酒に菊の花びらを浮かべて菊酒に見立てて味わってみるのも一興です。湯船に菊の花や葉を浮かべて「菊湯」にするもの簡単にできて風流ですね。

また、実りの時期でもあるので、重陽の節供は収穫祭と結びついていきました。栗ごはんを炊いたり、お餅をついたりして、収穫を祝う習慣があり、「栗の節供」ともいわれています。重陽の節供にちなんだ料理で収穫の秋、味覚の秋を堪能しましょう。

重陽の節供には、虫干しも兼ねて雛人形を飾り、女性の健康や長寿を願う「後の雛(のちのひな)」という風習がありました。最近、この風習が「大人の雛祭り」として注目を浴びつつあります。雛人形を飾って、菊の花びらを浮かべた菊酒を飲みながら、深まりゆく秋を感じるのも良いものですね。

【暮らしを彩る年中行事】五節供/重陽
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【暮らしを彩る年中行事】五節供/重陽/菊づくし
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【四季と行事食】重陽の節供の祝い膳
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