新年を迎えて、「今年はどんな一年になるかしら」と気になりますね。昔の人は「初夢」にその年の運勢が表れるとして、夢の内容で新年の運勢を占いました。
初夢は元日、または2日の夜に見る夢で、吉夢として有名なのが「一富士、二鷹、三茄子」。
高くて美しい富士山は高い目標や理想をかなえ、立身出世を象徴。裾広がりも縁起が良いとされます。鷹は、高く強く羽ばたき大空を舞うので、開運につながります。茄子は財を成す、子を成すなど、事を「成す」ことに通じて縁起が良いとされました。
また、七福神の乗った宝船の夢も吉夢とされています。良い初夢を見るために、枕の下に宝船の絵を敷いて、上から読んでも下から読んでも同じになる回文「長き夜の 遠の眠りの みな目覚め 波乗り船の 音のよきかな(なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな)」を唱えて寝るという風習もありました。
また、2日に行われることが多いのが「書き初め」です。新年を迎えて初めて、新年の抱負・目標や、一年の初めに相応しい言葉などを毛筆で書き、この一年が良い年になるように、また、書が上達するようにと願います。
「吉書(きっしょ)」「試筆(ためしふで)」「初硯」「筆初め」などともいわれ、もともとは元旦に汲んだ「若水」で墨をすり、恵方に向かっておめでたい言葉や詩歌を毛筆で書いたことに由来します。
書き初めが2日に行われることが多いのは、正月2日は事始めの日とされ、書き初めもこのしきたりにならっているからです。書いた書き初めは、1月15日の左義長(どんど焼き、とんど)の火で燃やします。そこで炎が高く上がるほど、字が上達するといわれています。
【暮らしを彩る年中行事】初夢
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2020年01月01日