10月28日からは七十二候の「霎時施(こさめときどきふる)」。しとしとと降り続くのではなく、時折、冷たい小雨がぱらぱらと降る頃です。古くは「霎(こさめ)」をしぐれと読んでいたとか。ひと雨ごとに気温が下がり、冬の足音が近づいてきます。
10月29日は旧暦9月13日にあたる「十三夜」。十三夜の月は、「後(のち)の月」とも呼ばれ、十五夜に次ぐ名月とされています。十五夜または十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「片見月」「片月見」と呼び、縁起が悪いともいわれています。
十三夜は、栗や豆の収穫祝いでもあったため別名「栗名月」「豆名月」といい、栗や枝豆を供える習わしがあります。枝豆は未成熟で青いうちの大豆です。
栗は秋の味覚の代表格。栗と日本人のつながりは古く、縄文時代にまでさかのぼり、古くは主食や救荒作物として食を支えてきました。
大豆も縄文時代に伝来し、古くから親しまれた大切な食料です。豆腐や納豆は毎日の食卓に欠かせません。味噌や醤油も大豆からできていますし、豆乳、おから、ゆば、きな粉など大豆から作られる加工品は、和食文化に大きな影響を与えているといってよいでしょう。
私たちの食生活になくてはならない「大豆」についてまとめましたので、こちらをご覧ください。
【旬の味覚と行事食】大豆
https://www.i-nekko.jp/hibinotayori/2020-102700.html
豆名月・栗名月の十三夜には、収穫に感謝し、栗と大豆の料理で月見の宴を楽しんでみてはいかがでしょう。
【暮らしを彩る年中行事】お月見
https://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/otsukimi/
【食の歳時記・旬の味】秋の味覚―栗
https://www.i-nekko.jp/shoku/2018-052712.html
【旬の味覚と行事食】大豆
https://www.i-nekko.jp/hibinotayori/2020-102700.html
2020年10月27日