子どもたちの正月一番の楽しみといっても過言ではない「お年玉」。今では子どもたちへ渡す正月のおこづかいのようになっていますね。しかし、鏡餅の項でもご紹介したように、もともとは年神様から新年に授かる「新しい魂」を「年魂(としだま)」といいました。今は誕生日がくるとひとつ年をとりますが、かつては正月に年神様から「年魂」をもらってみんなひとつ年をとったのです。これが数え年という年齢の数え方で、年神様から「年魂」をいただくことが本来のお年玉です。
では、どうやってお年玉をいただいたのでしょうか。それは、年神様に供えた丸餅を食べることでした。年神様に供えて、御魂(みたま)が宿った餅玉を、家長が家族に分け与えた「御魂分け」が始まりです。この餅玉を「御年玉」「御年魂」と呼び、この餅を食べるための料理がお雑煮です。
毎年、お年玉を楽しみにしている子どもたちに、お雑煮を食べたら既にお年玉をもらったことになっているなんて話したら大ブーイングが起こりそうですが、お年玉の形は変わっても、本来の意義は受け継いでいきたいものですね。
さて、お年玉をあげるときはポチ袋を使いますが、ただ入れればいいというものではありません。
紙幣は表面(肖像がある方)を内側にして、左→右の順で三つ折りにします。こうすると開いたときに表が見えます。ポチ袋も紙幣も表向きに揃え、天地が逆さまにならないように紙幣を入れます。硬貨も表面(製造年がある方)を揃えて入れます。ちょっとしたことですが、見た目も美しく配慮が感じられますね。
また、お年玉は目上の者から目下へ渡すものとされています。子から親に渡すときは「お年賀」とします。
【暮らしを彩る年中行事】お正月
https://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/shinnen_junbi/
【暮らしを彩る年中行事】お年玉
https://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/oshougatsu_fubutsu/otoshidama/
2020年12月21日