3月30日から、七十二候では「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」に入ります。冬の間は鳴りを潜めていた雷が、遠くの空でゴロゴロと鳴り始め、春の訪れを告げる頃です。「春雷(しゅんらい)」は「虫出しの雷」とも呼ばれ、冬の間隠れていた虫たちも活動し始めます。
雷が鳴るとよく「くわばらくわばら」といいますが、なぜでしょうか?
由来には諸説ありますが、有名なのは、菅原道真が九州の大宰府に左遷されてから落雷被害が増えたので、これは道真のたたりであると考え、落雷を避けるために、道真の領地で落雷のなかった桑原の名を唱えるようになったという説です。菅原道真はのちに天神様・学問の神様と崇められるようになりました。
さて、春になると、暖かい日差しを浴びながら小さく揺れる「スミレ」を見かけることがあります。日本各地の野原や堤防、田畑のそばに自生していて、スミレは日本人に馴染み深い花です。「スミレ色」というと青みがかったきれいな紫を思い浮かべますね。紫のスミレの花ことばは「貞節」「愛」などで、奥ゆかしさを感じます。
このように可憐なイメージのスミレですが、実は丈夫な植物で、自生地を広げるための仕組みがとても不思議なのです。スミレはかわいらしい姿とは裏腹に、かなりの戦略家といえるかもしれません。その戦略などをこちらで紹介しています。
【暮らしのまつり・遊び】春/スミレ
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【季節のめぐりと暦】七十二候
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2021年03月29日