日々の便り

2021年07月17日

七十二候「鷹乃学習」。夏を乗り切る「土用」の風習

7月17日から七十二候の「鷹乃学習(たかすなわちわざをならう)」。鷹の子が飛ぶ技を覚え、巣立ちを迎える頃です。

日本で鷹といえば大鷹をさすことが多いようです。南西諸島などを除く日本各地に生息し、山地の森林や里山の森などで繁殖します。5~6月頃に生まれたヒナたちが、6~7月には親鳥と同じぐらいの大きさとなり、巣立ちの準備を始めます。飛び方を覚え、狩りを学んで1か月もすると、親のもとから巣立っていきます。

日本に生息する猛禽類の中で食物連鎖の頂点に立つのが大鷹。からだの大きさはカラスと同じくらいですが、鳩やムクドリなどの鳥を空中で、ネズミやウサギなどを地上で捕えて食べます。その狩猟能力の高さから、古くから鷹狩りに利用されてきました。

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ことわざの中にも鷹が出てくるものがいろいろあります。
お正月の初夢には「一富士、二鷹、三なすび」といわれますし、「鵜の目鷹の目」「トンビが鷹を生む」「能ある鷹は爪を隠す」など、耳馴染のあるものも多いと思います。

さて、19日から雑節の夏の「土用」に入ります。土用とは、立春、立夏、立秋、立冬前の18日間(または19日間)のこと。季節の変わり目に土用があり、昔はさまざまな禁忌や風習がありましたが、夏の土用は梅雨明けと重なることが多いために重要視され、土用といえば夏の土用をさすことが多くなりました。

2021年は7月28日が「土用の丑の日」。夏バテ予防の知恵として、「土用の丑の日」にはうなぎや梅干し、うどんなど「う」のつくものを食べる、丑湯に入るなどの風習があります。

また、夏の土用は梅雨明けと重なるため、衣類や履物だけでなく、掛け軸や書物なども風に当てて湿気をとる「土用の虫干し」が行われていました。高温多湿な日本ならではの暮らしの知恵といえますね。


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【季節のめぐりと暦】雑節
【季節のめぐりと暦】土用


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