日々の便り

2021年09月09日

「重陽の節供」を冷おろしで楽しむ大人の雛祭りはいかが?

今日9月9日は五節供のひとつ「重陽(ちょうよう)の節供」です。
「重陽」とは聞きなれない言葉ですが、良いことを表す陽数(奇数)の中でも一番大きな「9」という陽数が重なるという意味で、9月9日を陽が重なる「重陽の節供」と定め、不老長寿や繁栄を願うようになりました。

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旧暦の9月9日は今の10月中ごろにあたり、まさに菊の美しい季節でした。重陽の節供には邪気を祓う高貴な花とされる菊を用いた行事がたくさんあり、「菊の節供」ともいわれています。平安貴族の間では、「菊酒」や菊の「被せ綿(きせわた)」、「菊湯」「菊枕」など、菊を使った「菊づくし」で重陽を祝いました。

また、重陽の節供には、虫干しも兼ねて雛人形を飾り、女性の健康や長寿を願う「後の雛(のちのひな)」という風習がありました。最近、この風習が「大人の雛祭り」として注目を浴びつつあります。雛人形をお持ちの方は、菊や秋の草花とともに飾ってみてはいかがでしょうか。

暑さも緩み秋の気配が感じられる頃、日本酒の「冷おろし」が出回ります。冷おろしは春先に火入れをした新酒を秋まで熟成させ、瓶詰めのときには火入れをせず、冷たいまま卸すことからこの名前がつきました。円熟し、調和のとれたまろやかさは、日本酒の旬と称され人気があります。近年は重陽の節供を解禁日とするところが多くあります。

菊の花びらを浮かべて「菊酒」に見立てた冷おろしを飲みながら、雛人形とともに深まりゆく秋を感じるひとときも素敵です。


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