「十日夜」とは東日本を中心に、旧暦10月10日に行われる収穫祭です。2021年は11月14日が旧暦10月10日にあたります。稲刈りが終わって田の神様が山に帰る日とされていますが、祭りの内容は地方によっても違いがあります。
稲の収穫を祝ってお餅をついて食べたり、稲の茎を束ねた「わらづと 」や「わら鉄砲」で地面を叩きながら唱えごとをして地面の神を励まし、作物にいたずらをするモグラを追い払ったりします。
また、十日夜はお月見がメインの行事ではありませんが、十五夜、十三夜と並んで三月見のひとつでもあります。「かかしあげ」といって田んぼを見守ってくれたかかしにお供えものをして、かかしにお月見をさせてあげる地方もあります。西日本では同様の収穫のまつりとして「亥の子祭り」が伝えられています。
そして、11月15日は「七五三」。子どもの健やかな成長を願い、男の子は3歳と5歳(5歳のみ行うところも多いです)、女の子は3歳と7歳のときに晴れ着を着せて神社に参拝し、人生の節目を祝う通過儀礼です。
七五三は、もともとは公家や武家で行われていた「髪置き」「袴着」「帯解き」という別々の儀式でした。江戸時代後期に3つの儀式がひとつになり、その後、今のような形になって広まりました。昔は「7歳までは神のうち」といわれるほど子どもの死亡率が高く、子どもを無事に育てるのは大変だったため、節目節目に神様に感謝をして、健やかな成長を祝うようになりました。
また、七五三といえば「千歳飴」。江戸時代に、浅草の飴売りがお宮参りのお土産として売り出したのが千歳飴の始まりで、赤ちゃんが長生きできるよう長く伸ばした飴を作り、千年飴、寿命飴として売り出したそう。これがのちに「千歳飴」と呼ばれるようになり、七五三に用いられるようになりました。飴は縁起の良い紅白に彩られ、袋には松竹梅、鶴亀など長寿にまつわる絵が描かれおり、袋の中には年の数だけ飴を入れると良いとされています。
晴れ着を着て千歳飴を持った子どもとご家族のほほえましい姿を見ると、こちらまで嬉しくなります。家族にとって楽しい思い出に残る一日になるといいですね。
【季節の行事】十五夜・十三夜・十日夜
【季節の行事】亥の子
【暮らしの作法】七五三
【暮らしの作法】子どもの通過儀礼
2021年11月14日