11月17日から、七十二候では「金盞香(きんせんかさく)」になります。「きんせんか」といっても、春に咲くキク科のキンセンカのことではなく、水仙をさします。「金盞」とは金の盃のことで、水仙の黄色い冠がまるで金の盃のようなので、こう呼ばれます。
水仙が咲き、芳香を放つ頃です。水仙は12月から2月頃が開花時期で、雪の中でも咲き始めるので「雪中花」とも呼ばれます。日本各地に群生地があり、私たちの目を楽しませてくれます。
さて、11月19日の夕方から宵にかけて、日本全国で部分月食が見られるそうです。
月食とは、月が地球の影の中を通過することによって、月が暗く見えたり、欠けたように見えたりすることです。地球の影には太陽光がほとんど遮られた「本影」と、本影を取り囲む「半影」があり、今回は月の一部が本影に入り込む「部分月食」になります。
関東以西では、月の出よりも部分月食の始まりの方が早いので、月が欠けた状態で登ってきます。最も欠けた状態になるのは18時頃で、月の直径の97.8%まで影に入る大変深い部分月食になります。
月が欠けるといっても真っ暗になって見えなくなるわけではなく、少し暗くなっていくという感じだそうです。
風流に秋を感じるお月見だけでなく、壮大な宇宙の営みを感じるお月見もおもしろいですね。
【季節のめぐりと暦】七十二候
2021年11月17日