日々の便り

2022年07月28日

七十二候「土潤溽暑」。夏の栄養ドリンク「甘酒」と涼味「心太」

七十二候では、7月28日から「土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)」になります。土がじっとりとして蒸し暑くなる頃。蒸し暑いことを「溽暑(じょくしょ)」といいます。まさに今の暑さを表していますね。

昔から夏バテ防止に良いとされる食べ物はいろいろありました。最近、その良さが見直されて手軽なドリンクとして店頭に並ぶようになった「甘酒」もそのひとつです。
実は甘酒は、日本書紀にも記述がある古墳時代からの飲み物。冬場のものと思われていますが、江戸時代には手軽な栄養ドリンクとして親しまれていました。栄養豊富な甘酒は夏バテ防止になり、体力回復に効果的だとして、冷やしたものや熱したものを暑気払いに飲む習慣がありました。江戸時代には夏の風物詩だったそうです。俳句では「甘酒」は夏の季語にもなっています。

20220728_amazake_pixta_17088586_S.jpg

また、「心太(ところてん)」は見た目の涼やかさやのど越しの良さが魅力。酢醤油の酸味も爽やかです。つるんとしてのど越しの良い「寒天」を使った甘味や料理も、目にも涼やかで食欲をそそりますね。
心太も寒天も、昔から日本人に愛されてきた日本の伝統食品です。
心太が大陸から日本に伝わったのは仏教伝来の頃、精進料理のこんにゃくなどとともに製法が伝えられたといわれているので、1400年以上も前ということになります。

寒天ができたのは江戸時代になってから。偶然、心太が凍ってフリーズドライ状態になったことから寒天が作り出されました。心太も寒天も、食物繊維やミネラルが豊富。生活習慣病予防にも役立つといわれるヘルシーな食品です。
ところで「心太」と書いてなぜ「ところてん」と読むのでしょうか?その理由はこちらを見てくださいね。寒天料理のヒントもご紹介しています。
【食の歳時記・旬の味】夏の涼味―心太(ところてん)と寒天


【季節のめぐりと暦】七十二候
【旬の味覚と行事食】夏/昔の人のスタミナ源
【旬の味覚と行事食】夏/夏の涼味―心太(ところてん)と寒天


ページトップへ