2月4日は二十四節気の最初の節気「立春(りっしゅん)」です。立春から立夏の前日(2023年は5月5日)までが暦の上の春。とはいえ厳しい寒さが続いており、春本番が待ち遠しいですね。
旧暦では立春近くに正月が巡ってきたので、春が新年の象徴で、立春は一年のスタートの時。正月に「迎春」「新春」などのことばが使われるのはそのためです。「八十八夜」「二百十日」などの雑節も、立春が起点になっています。
立春の早朝、禅寺では厄除けのために門に「立春大吉」と書いた紙を貼る習慣があります。この四文字は縦書きにすると左右対称で裏から見ても同じなので、もし鬼が入ってきてもまだ家の中に入っていないと勘違いして出て行ってしまうと言われ、一年間災難に遭わないというおまじないになりました。厄除けとして「立春大吉」の紙札を貼る家もあります。
また、七十二候では「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」になります。「東風(こち)」とは春風を表すことばで、春の風が川や湖の氷を解かし始める頃という意味です。
さて、2月最初の午の日は「初午」。2023年は2月5日が初午にあたります。この日に、京都・伏見稲荷大社の地に稲荷神が降りたとされ、やがて全国に「初午祭」が広まりました。稲荷の名は「稲生り」から来たともいわれ、伏見稲荷をはじめ大阪の玉造稲荷、愛知県の豊川稲荷など、各地の稲荷神社で盛大に祭りが行われます。
稲荷神社といえばキツネがつきもの。キツネは、春になると山から下りてきて田んぼのネズミを食べ、秋には山に帰ることから「稲荷神の使い」とされました。稲荷神社のキツネの像をよく見ると、口に何か咥えています。米倉の鍵や鎌、玉など神社によって違いがあるそうですが、「稲荷神の使い」として見ると納得できるものばかりです。
そのキツネの大好物が油揚げ。そこで、初午の日には油揚げや油揚げにすし飯を詰めたものを奉納するようになり、これがいなり寿司の始まりだといわれています。詳しくはこちらをご覧ください。
【暮らしのまつり・遊び】初午
2023年02月04日