6月11日は「入梅」。農作業や暮らしの大切な目安とされてきた雑節のひとつです。昔は、芒種の後の最初の壬(みずのえ)の日、立春から135日目などとされていましたが、現在は太陽の黄経が80度に達した日とされています。実際の梅雨入りは各地で異なり、目安とされているのは気象庁の発表する「梅雨入り宣言」です。
「梅雨」の語源は、梅の実が熟す頃に降る雨だからという説が有名ですが、他にも素敵な呼び名があります。「卯の花腐し(うのはなくたし)」「黴雨(ばいう)」「五月雨(さみだれ)」などは、梅雨の異称。「五月雨」の「さ」は田の神様で「みだれ」には水垂れという意味もあり、旧暦5月の長雨のことを指します。
また、七十二候では「腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)」になります。草の中から蛍が舞い、光りを放ち始める頃。昔は腐った草が蛍になると考えられていたそうです。
一時は激減した蛍ですが、最近は「蛍狩り」ができるところも増えてきました。「蛍狩り」といっても蛍を捕まえるわけではありません。「紅葉狩り」などと同じように季節の風物を楽しむ、鑑賞するという意味です。
「蛍狩り」の時期は、場所にもよりますが5月下旬から7月中旬頃。きれいで流れが緩やかな川や水田などの草むらで、水温は15~20℃くらい。エサになるカワニナがいるところです。蛍が飛び回るのは、日没から1~2時間後の7時半から9時頃までが目安。気温が暖かく曇って風のない梅雨の夜は、「蛍狩り」に最適です。
では、蛍はなぜ光るのか、蛍の種類など詳しくはこちらでご紹介しています。
【暮らしのまつり・遊び】夏/蛍狩り
【季節のめぐりと暦】雑節/入梅
【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしのまつり・遊び】夏/蛍狩り
2023年06月11日