日々の便り

2023年08月15日

知っておきたいお盆の風習。「藪入り」「送り盆」とは?

お盆は、先祖の霊を迎える行事。昔、亡くなった人は7月の15日に帰ってくるとされていました。新暦では8月の半ばにあたるため、昔の季節感そのままにできるよう、月遅れの8月15日を盆中日としてお盆の行事を行うところがほとんどです。

お盆に帰省するのは、昔の「藪入り(やぶいり)」の名残で、長く続いてきた風習です。
藪入りは、住み込みの奉公人や嫁いできた嫁が実家へ帰ることができる休日のことです。昔は奉公人に定休日などなく、嫁も実家に帰ることはままならなかったため、お正月の1月16日とお盆の7月16日の藪入りだけが、大手を振って家に帰ったり、遊びに出かけたりできる日だったのです。戦後、労働スタイルが変化し、日曜日などの定休日ができると藪入りは廃れましたが、藪入りの伝統は正月休み・盆休みの帰省として残っています。

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そして、盆中日が過ぎれば送り盆、精霊送りです。送り火を焚いて、先祖の霊をお送りします。迎え火のときと同じ要領でオガラを燃やし、今度は内から外へと送り火をまたぎます。
地域によっては海や川に送り火を流して精霊送りを行います。8月15日に行われる長崎の「精霊流し」は有名ですね。精霊舟やたくさんの灯篭を流して精霊を送るとともに、病気や災いもいっしょに流すという意味があります。
また、8月15日には奈良の「大文字送り火」が夜空に浮かぶ火文字で慰霊をし、16日には京都「五山送り火」が実施され、ご先祖様をお送りします。


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