日々の便り

2023年11月13日

七十二候「地始凍」。収穫の祭り「亥の子祭り」と「こたつ開き」

11月13日から、七十二候では「地始凍(ちはじめてこおる)」になります。大地が凍り始める頃という意味で、霜が降りたり、霜柱が立ったり、水たまりに氷が張ったりし始めます。11月に入り、朝晩はけっこう冷えるようになりました。アスファルトばかりの都会では霜柱を踏む機会もありませんが、子どもの頃、霜柱を踏んだときのあのサクッとした感触がなんとも気持ち良かったものです。

立冬も過ぎて霜柱も立つ頃になれば、暖房の準備も必要ですね。その目安になるのが「亥の子の日」です。十二支の亥の月にあたる旧暦10月の最初の亥の日が「亥の子の日」。2023年は11月13日にあたります(新暦11月の最初の亥の日で考える場合には11月1日)。亥の子の日には「亥の子祭り」や「こたつ開き」が行われます。

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西日本では「亥の子祭り」という収穫祭が行われます。子どもたちが藁を束ねた藁鉄砲などで地面を叩いたり、ついたりする「亥の子づき」を行います。これは土地の邪霊を鎮め、土地の神に力を与えて豊かな収穫を祈るというおまじないだといわれています。似た行事として東日本では「十日夜」があります。
また、イノシシの子どもに似せて作られた「亥の子餅」を食べる風習もあり、亥の子餅を神様に供えて、無病息災と子孫繁栄を祈りました。

亥は陰陽五行説で水にあたり、亥の月の亥の日から火を使い始めると火事にならないといわれていました。そのため、昔は亥の子の日に囲炉裏やこたつなどに火をいれる習わしがあり、「こたつ開き」と呼ばれて親しまれていました。暖房器具を出すなら、縁起を担いで亥の子の日にしてみてはいかがでしょうか。

【季節のめぐりと暦】七十二候
【季節の行事】亥の子

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