日々の便り

2023年12月27日

七十二候「麋角解」。年神様に供える「おせち料理」の由来

12月27日から七十二候の「麋角解(さわしかのつのおつる)」になります。「麋」は大鹿のことです。鹿の雄は春に角が生えはじめ、冬のこの時期になると角が脱落します。

さて、クリスマスが終わり、もうすぐお正月。「おせち料理」の用意をする頃となりました。実は「おせち料理」はもともと正月だけのものではなく、節供の料理全般を「御節供(おせちく)」「節供(せちく)料理」などと呼んでいました。やがて、節供の中でも一番重要なお正月の料理をさすようになり、「おせち」と呼んで親しまれるようになったのです。

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年神様へのお供え料理ですから、五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全、無病息災、長寿などの祈りを込めて、縁起のよい海の幸、山の幸を豊富に盛り込みます。
そして、年神様と共に食べることで、そうした幸せを取り入れようとしたのです。
年神様はご先祖様でもあると考えられていたので、地元で採れた食材を使って、毎年同じ料理をお供えするようになったといわれています。

こういう由来を知ると、おせち料理を用意して食べるということが大切なのだと感じます。手作りおせちでも、購入したおせちでもそれぞれのご家庭にあったおせち料理で、お正月をお祝いできればいいですね。

おせち料理はお重詰とは限りませんが、美しく詰められた重詰めを見ると一気にお正月気分も盛り上がります。重箱に詰めるのは、めでたさが重なるように。また、三が日はかまどの神様にも休んでいただくため、おせち料理は作り置きできるものが中心で、それを重箱に詰めておくと保存がきいたということもあるようです。漆塗りの器には抗菌力もあり、ここにも先人の知恵を感じます。

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