日々の便り

2024年02月08日

「事八日」の日には、道具に感謝の心を込めて「針供養」

2月8日は「事八日」の日。「事」とは、もともと祀りあるいは祭りを表す言葉で、コトノカミという神を祀るおまつりの日です。そのおまつりが12月8日と2月8日の2回あり、「事八日」「事の日」などといわれました。

「事」が始まるのを「事始め」、「事」が終わるのを「事納め」といいますが、実は、コトノカミが「年神様」か「田の神様」かで、事始めと事納めの時期が逆転します。
コトノカミを年神様ととらえるところでは、年神様を迎えるために正月準備を始める12月8日を「事始め」、2月8日を「事納め」としました。
コトノカミを田の神様ととらえる農家などでは、作業を締めくくる12月8日が「事納め」、年が明け農作業を開始する2月8日を「事始め」としました。
「事」を何ととらえるかによって、一方の始まりの日はまた一方の終わりの日になるわけです。

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事八日には道具に感謝をする「針供養」をしますが、地方や社寺によって2月8日、または12月8日に行われています。針供養は、古くなった針や、折れたり曲がったりした針、さびた針などを豆腐やこんにゃくなどに刺して供養し、裁縫の上達を願います。

また、事八日には、里芋、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、小豆などを入れた「お事汁」を食べ、無病息災を願う風習もあります。栄養豊富なお事汁は、寒い季節に体の芯から温まる伝統の健康長寿食といえますね。作り方をこちらで紹介しています。
【四季の行事食】お事汁

2月9日からは七十二候の「黄鴬睍睆(うぐいすなく)」です。山里で鴬が鳴き始める頃。春の訪れを告げる鴬は「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれます。「梅に鶯」とよくいいますが、梅の花も早春一番に開花するおめでたい花。実際に梅の木にとまる鶯色の鳥はメジロだそうですが、春の到来を表すおめでたい梅と、春の訪れを告げる鶯の取り合わせは人々の理想のイメージとして親しまれてきました。


【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしを彩る年中行事】事始め・事納め
【暮らしのまつり・遊び】針供養
【四季の行事食】お事汁

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