日々の便り

2024年09月01日

幻想的な風鎮めの祭り「おわら風の盆」。今日は防災の日

9月の和風月名では「長月(ながつき)」。旧暦の9月は、新暦の10月から11月の上旬にあたり、夜がだんだんと長くなる「夜長月(よながづき)」が略されて「長月」となったといわれていますが、秋雨が多く降る時季なので「長雨月(ながめつき)」、稲穂が伸びて実るので「穂長月(ほながづき)」が略されたとする説や、「稲熟月(いなねあがりづき)」がなまったという説もあります。

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この時期、収穫を間近に控えた大切な農作物が風水害などにあわないよう、各地で風を鎮めるための祈りを込めた祭りが行われます。なかでも、9月1日から3日まで行われる富山県富山市八尾町の「おわら風の盆」は、300年の伝統をもつといわれる代表的な風鎮めの祭りです。坂の町・八尾の古い街並みにぼんぼりの灯がともり、哀愁をおびた胡弓の音色が響いて、「越中おわら節」にのせて編み笠をかぶった男女が踊り歩く姿は幻想的。独特の風情が人気を呼び、小説や歌にも数多く登場しています。

また、9月1日は「防災の日」です。1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなみ1960年(昭和35年)に「防災の日」が制定されました。非常持ち出し袋の点検や、家族との連絡方法、避難所、避難経路、家族との待ち合わせ場所など、万が一に備えてぜひ確認しておきましょう。

9月2日から七十二候では「禾乃登(こくものすなわちみのる)」に入ります。「禾(のぎ/のげ)」は稲穂が実ったところを表す象形文字で、稲などの穂先に生えている毛のことを指し、そこから穀物の総称となりました。いよいよ稲が実り、穂を垂らす頃です。
この夏は酷暑だけでなく、地震や台風、大雨による被害にあった田んぼや畑も多いと思われます。実りの秋を目前に、これ以上、災害に見舞われず、無事収穫できることを心より願っています。


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【季節のめぐりと暦】雑節
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【暮らしのまつり・遊び】秋/おわら風の盆

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