日々の便り

2024年12月01日

1年を振り返る「師走」。鍋奉行も活躍?みんなで囲む鍋のルーツ

12月の和風月名は「師走」。子どもの頃は「先生も走るくらい忙しい時期」だから「師走」と思っていましたが、実はこの「師」は「僧侶」のこと。昔は12月になるとどの家もお坊様を迎えてお経を読んでもらったため、僧侶が忙しく東奔西走するので「師馳す(しはす)」となり、それが変化して「師走」になったということです。
この他にも、年が果てるという意味の「年果つ(としはつ)」が変化したという説、四季が果てる月を意味する「四極(しはつ)」が変化したという説など諸説ありますが、どれも1年が終わることを感じさせる言葉です。

また、12月2日から七十二候では「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」になります。橘の実が黄色く色づきはじめる頃です。橘は古くから自生している日本固有の柑橘類でミカン科の植物ですが、昔は柑橘類の総称として様々なミカン類を合わせて「橘」と呼んでいたようです。

さて、冬の味覚といえば鍋物。みんなで鍋を囲めば身も心も温まりますね。
鍋物の歴史は意外と新しく、今のような形で鍋物を楽しみ始めたのは江戸時代になってから。江戸時代は、庶民が食を楽しめるようになった時代で、おでんのルーツとなった田楽を出す茶飯屋や、湯どうふやあんこう鍋の店など、さまざまな鍋物屋ができました。

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おでんやすき焼き、寄せ鍋などの定番鍋の他、地方色豊かな食材を使ったお国自慢の鍋など、鍋物の種類は数え切れないほどありますが、最近のトレンドは、フライパンを使った蒸し鍋や、つけだれなどを工夫した新しい感覚のすき焼きなのだそう。
鍋となると張り切ってあれこれ指図する人を「鍋奉行」といいますが、「鍋奉行」なら知っておきたい鍋物のコツをご紹介しています。
【旬の味覚と行事食】冬/鍋物と鍋奉行


【季節のめぐりと暦】和風月名
【季節のめぐりと暦】七十二候
【旬の味覚と行事食】冬/鍋物と鍋奉行

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