12月11日から、七十二候では「熊蟄穴(くまあなにこもる)」に入ります。秋の間に食いだめをした熊がそろそろ冬ごもりをはじめる頃という意味です。
動物たちが冬支度をする頃、人も暖房がきいた暖かい部屋で過ごしたくなってきます。エアコンやストーブ、ヒーターだけでなく、こたつや火鉢など昔ながらの暖房器具もありますね。
奈良・平安時代頃から上流階級では炭が使われていました。熾した炭は、「炭櫃(すびつ)」や「火桶(ひおけ)」、今でいう火鉢の中に入れて使われており、その様子は枕草子にも記されています。炉に薪をくべるのと違い、煙も出ず、持ち運べ、部屋ごとに置くことができる火鉢は大変重宝なものでした。
歴史ある火鉢ですが、暖房としては部屋全体を温めるほどのパワーはなく、近くによって暖をとるものですが、炭火の上に鉄瓶をかけてお湯を沸かしたり、網をのせて餅を焼いたりと、便利に使えます。ただし、一酸化炭素が発生しますので、こまめな換気が必要です。
室内での炭火の扱いになれない人が多くなった今、火を熾さず、インテリアとして火鉢を活用する楽しみ方もあります。火鉢のノスタルジックな雰囲気が好まれて、最近はかわいいミニ火鉢などがあり、おしゃれなインテリアにもなっていますが、火鉢の種類や現代風の使い方などをご紹介します。
【暮らしの知恵】暮らしの道具/火鉢の楽しみ方
【季節のめぐりと暦】七十二候
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2024年12月11日