1月30日から七十二候の「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」になります。春の到来を感じた鶏が鳥屋(とや)に入って卵を産みはじめる頃という意味です。
本来、鶏の産卵期は春から夏にかけてで、一日の内の明るい時間が短くなる冬は、卵を産みませんでした。今は、育種改良によって産卵能力が向上したことに加え、照明を使って人工的に明るい時間を延ばすことで、毎日卵を産むようになりました。
昔も農家が灯りをつけて夜遅くまで作業をしていると、冬でも鶏が卵を産むことがあったそうです。
小寒と大寒の期間を「寒の内」「寒中」というので、この期間に産まれた卵を「寒卵」、大寒の日に産まれた卵を「大寒卵」といい、貴重で特に滋養があるとされました。
今年は、鳥インフルエンザの流行で、卵の流通量が減って価格が上昇しているようです。栄養たっぷりで、さまざまな料理やお菓子作りなどにも大活躍の卵は、日々の食卓に欠かせないものです。その恩恵に感謝して大切にいただきたいものですね。
さて、インフルエンザや風邪が流行っていますが、体調不良の時はゆっくりからだを休め、栄養を摂るのが一番。栄養豊富な卵酒もおすすめですが、とろりとなめらかな口当たりの「葛湯(くずゆ)」も温かくやさしい飲み心地で、身も心も癒されます。「葛湯」は、葛粉をお湯で溶いた飲み物で、体を温め、解熱発汗作用があり、消化が良く、昔から風邪のひきはじめに飲むと良いといわれています。味のバリエーションも豊富なおいしい葛湯の作り方をご紹介していますので、お好みの葛湯で体を温め、元気にお過ごしください!
【旬の味覚と行事食】冬/葛湯(くずゆ)
【季節のめぐりと暦】七十二候
【旬の味覚と行事食】冬/葛湯(くずゆ)
2025年01月30日