2月13日から、七十二候の「魚上氷(うおこおりをいずる)」に入ります。水がぬるみ、割れた氷の間から魚が飛び跳ねる頃。春の足音を感じて、魚たちも活気づくのでしょうか。春先の薄く張った氷をさす「薄氷(うすらい)」は、早春の季語です。
日本各地に、春の訪れを告げる「春告げ魚」がいます。
その一つが名前からして、魚偏に春と書く「鰆(さわら)」。春の季語になっていますし、瀬戸内海を中心に春に旬を迎え、淡白ながらほろりとした甘みがあり、どんな調理法でもおいしくいただけます。
北の春告げ魚といえば、かつては「鰊(にしん)」でしたが、現在は漁獲高が減少し、鰊に変わって「メバル」が春告げ魚と呼ばれるようになってきました。
ほかにも、兵庫県のイカナゴ、伊豆諸島のハマトビウオ、また、渓流釣りでは3月に解禁されることからアマゴやヤマメなども春告げ魚と呼ばれます。
地域や時代によっても春告げ魚は異なりますが、春先になるとぴちぴちと元気に集まってくる魚たちに、人は親しみを込めて「春告げ魚」と呼んだのでしょう。
【季節のめぐりと暦】七十二候
【旬の味覚と行事食】春/春告げ魚
2025年02月13日