七十二候では今日から「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」になります。春霞がたなびきはじめる頃という意味です。都会では春霞といってもピンとこないかもしれませんが、朝方や昼間に遠い山などを眺めると、景色がぼやけて見えることがあります。
そして、時間によって表現が変わるのも日本語の面白いところ。霞は昼間に限定され、夜は朧(おぼろ)を用います。春の夜空にぼやけたように浮かぶのは朧月(おぼろづき)となります。これらの違いは何なのでしょう。気になる方はこちらをご覧ください。
【暮らしの中の歳時記】霧、靄、霞の違い(リンク)
春の到来を告げる梅の花が咲くころです。春は名のみで寒い日が続いていても、その凛とした姿に季節がやわらいでいくのを感じることができます。学問の神様、菅原道真公を祀る湯島天神は、江戸時代から梅の名所として親しまれてきました。約300本の梅の木(白梅が8割)があり、「湯島の白梅」として有名です。2025年は2月8日から3月8日まで「梅まつり」も開催されています。
ところで、紅梅と白梅の区別はどこでするのでしょう?花の色でと思いがちですが、実は枝の内部の色。断面が赤いのが紅梅、白っぽいのが白梅です。赤い花が咲いていても白梅ということもあります。
また、1本の木に赤い梅と白い梅がいっしょに咲いているのを見ることがあります。紅白の花がとても美しいのですが、なぜ1本の木に赤い花と白い花が咲くのか不思議ですね。これは、もともと紅梅の木に起こる現象です。紅梅の赤い色はアントシアンという色素から作られ、赤くなるためには多くの酵素を必要としますが、それがうまく働かないと花は赤くなれず、白くなってしまうのです。
【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしのまつり・遊び】冬/梅の花・梅まつり
2025年02月23日