日々の便り

2025年04月13日

子どもの健やかな成長を願う「十三詣り」

旧暦3月13日、現在は主に4月13日を中心に行われる「十三詣り(参り)」は、子どもの健やかな成長を願う通過儀礼のひとつです。数え年で13歳になる子どもたちが、「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」に参拝します。

202504_jusanmairi_pixta_21405452_S.jpg

13歳は干支が一回りして最初に戻った初めての年であり、子どもがここまで成長したことを祝い、感謝を捧げます。また、13歳は子どもの厄年とされたため、厄を払い、無病息災を願います。
十三詣りは、平安時代のはじめに京都の法輪寺で清和天皇が13歳になった際の法要を行ったのが由来とされており、関西では盛んに行われていますが、関東ではあまり一般的ではありません。

虚空蔵菩薩は、知恵や福徳を司るので、参拝すると大人として必要な知恵を授かるとされています。そのため十三詣りは別名「知恵詣で」「知恵もらい」ともいいます。ただし、参拝の後、途中で後ろを振り返えるといただいた知恵を落としてしまうので、振り返ってはいけないと伝えられています。十三詣りで有名な京都の法輪寺では、桂川にかかる長い橋、渡月橋を渡り終えるまで振り返ってはいけないといわれています。

また、十三詣りの子どもが好きな漢字一字を書き、一文字写経として奉納する習わしもあります。女の子は、初めて本裁ちの着物(大人と同じように一反の反物で仕立てた着物)を着せてもらう節目でもあります。
【暮らしの作法】人生の通過儀礼/十三詣り

ページトップへ