2015年05月08日

ツツジとサツキ

春、紫がかった花が一斉に開花し、木全体が花に覆われたように咲くツツジ。バラやボタンのような派手さはありませんが、街路や庭先、公園や庭園などでもよく見かけ、親しまれています。よく似た花木にサツキがありますが、ツツジとサツキはどう違うのでしょうか。

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■常緑性のツツジと、落葉性のツツジ

ツツジは、小ぶりの花が群がって咲くのが特徴の低木。大きめの花が咲くオオムラサキツツジや、ヤマツツジの仲間のキリシマツツジなどの常緑性の種類が多いのですが、ミツバツツジやレンゲツツジのような落葉性のツツジもあります。

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常緑性のツツジは、主に日本や中国などアジア東部に自生しています。落葉性のツツジはアジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界中に分布しています。

 

 

■日本のヤマツツジ

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日本には、多くの種類のツツジが自生しています。常緑性のツツジだけでも、山地に自生するヤマツツジ、鹿児島県南部に自生するサタツツジ、渓流に沿って自生するキシツツジ、静岡から四国にかけて自生するモチツツジ、奄美大島から沖縄にかけて自生するケラマツツジ、中部地方から九州の河川沿いに自生するサツキ、鹿児島県南部から南西諸島にかけて自生するマルバサツキなどが挙げられます。

 

 

■江戸時代にツツジブーム

江戸時代中期に、薩摩から江戸にキリシマツツジが運ばれ、植木栽培が盛んだった江戸染井を中心に全国にツツジ栽培のブームが広がりました。今でも各地にキリシマツツジの老木が残っています。

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ツツジは園芸品種として盛んに品種改良され、様々な園芸品種が作り出されました。元禄5年に伊藤伊兵衛により発刊された世界で初めてのツツジの専門書「錦繍枕(きんしゅうまくら)」には、ツツジ175品種、サツキ161品種が記載されています。

濃い紫色の大輪の花が咲く"オオムラサキツツジ"、白く可憐な"リュウキュウツツジ"などはこの頃から栽培され、今も人気のツツジです。

 

 

■サツキはツツジの一種

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サツキはツツジの一種で、中部地方から九州にかけて広く分布しています。花は紅色で、葉は細長く先天がとがっています。開花期は5月下旬から6月上旬で、ふつうのツツジよりも1ヶ月ほど遅いのが特徴です。

江戸時代に季節感の違いから、4月から5月中旬に開花するものをツツジ、5月下旬から6月上旬に開花するものをサツキとして区別するようになり、旧暦の皐月(現在の6月頃)に咲くことからサツキと呼ぶようになったといわれています。

 

サツキとツツジを比べてみると、次のような特徴が挙げられますが、大変多くの種類があるので、例外もたくさんあります。

 

●開花期:ツツジは、4~5月。サツキは5月~6月。

●花の咲き方:ツツジは花がいっせいに咲く。サツキは1週間くらいかけて順に開花する。

●おしべの数:ツツジは5本以上。サツキはほとんど5本。

●新芽の出方:ツツジは花後に新芽が伸びる。サツキは新芽が出てから開花する。

 

サツキは江戸時代から盆栽用としても人気で、様々な盆栽品種があります。また、サツキは通年美しい葉を保つ常緑樹なので、庭木としてもよく使われています。 

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