日本各地に特色のあるやきもの産地があります。
やきものの歴史は古く、縄文時代の土器に始まり、陶器、炻器(せっき)、磁器と発展し、日常の実用品、美術品や工業製品など、さまざまな分野で活用されています。
身近なやきものといえば、やはり毎日使う器類です。特に和食は料理を盛りつける器を変えるだけで、料理の印象が変わって、味覚だけでなく視覚でも楽しむことができます。日常でもちょっと器に凝ってみると、食卓が素敵になりますね。
やきものの種類や産地を知って、自分好みの器選びの参考にしましょう。
■やきものの種類と産地
やきものは材料の種類と焼き上げる温度によって、大きく陶器と磁器に分けられます。そのため、やきものを「陶磁器」と呼ぶこともあります。
【陶器】
粘土質の陶土を原料としており、焼成温度は900~1200℃。叩くと鈍い音がするのが特徴です。ぽってりとしていて素朴な雰囲気で「土もの」とも呼ばれています。吸水するため、シミができることもありますが、それを景色として楽しみます。
代表的な産地は、萩、唐津、益子など。
※炻器(せっき)
陶土を原料に900~1400℃で焼成したもの。陶器と磁器の中間のもので、吸水性がほとんど無く、叩くと金属的な音がします。磁器に似ていますが、広い意味では陶器の仲間とされています。
代表的な産地は、備前、信楽、万古など。
【磁器】
陶石を砕いたものに水を加えて粘土状にしたものが原料で、焼成温度は1300~1400℃。硬くて薄くなめらかで、叩くと金属音がするのが特徴で「石もの」ともいいます。ほとんど吸水しないため汚れにくく、丈夫で扱いが楽。光が透けて見える透光性があります。
代表的な産地は、有田、九谷、瀬戸、清水など。
■秋の陶磁器まつり
やきものの産地では、春と秋に展示や販売のイベントが多く行われます。この秋、これから行われる予定の催事をピックアップしてみました。一度にたくさんの作品に触れることができますので、出かけてみるのも良いでしょう。
※詳しい内容については、それぞれのHPなどでご確認ください。
みかわち陶器市
10月4日(木)~8日(月・祝)
長崎県佐世保市/三川内焼伝統産業会館前駐車場
萩・田町萩焼まつり
10月5日(金)~8日(月・祝)
山口県萩市/萩市田町商店街
笠間浪漫
10月6日(土)~8日(月・祝)
茨城県笠間市/笠間芸術の森公園イベント広場
信楽陶器まつり
10月6日(土)~8日(月・祝)
滋賀県甲賀市信楽町
たじみ茶碗まつり
10月7日(日)・8日(月・祝)
岐阜県多治見市/多治見美濃焼卸センター
丹波焼陶器まつり
10月20日(土)・21日(日)
兵庫県篠山市/篠山市今田支所他
備前焼まつり
10月20日(土)・21日(日)
岡山県備前市/備前焼伝統産業会館、JR赤穂線伊部駅周辺
この後も各地でさまざまな催事が行われますので、好みのやきものが出る催事を調べてみるのもいいですね。