潮の引いた浜へ出て、あさりやはまぐりなどの貝を採る「潮干狩り」。庶民の娯楽となったのは江戸時代といわれ、大人も子どもも楽しめる春のレジャーとして今でも人気があります。せっかく浜に出たならたくさん採って帰りたいもの。潮干狩りの準備や採り方のコツをご紹介します。
■春から夏が潮干狩りのベストシーズン
太陽と月の引力によって、海には潮の満ち引きがあります。潮が満ちる「満潮」と潮が引く「干潮」が1日2回、約12時間周期で繰り返しされます。特に満月と新月の頃は、「大潮」といって潮の干満の差が大きくなります。
潮干狩りのベストシーズンは、春から夏の大潮の日。干潮の2時間前から干潮までの時間帯で楽しむのがポイントです。
■潮干狩りの準備
全国各地に潮干狩りが楽しめるスポットがあります。場所を決めたら、干潮の時間をチェックしましょう。海上保安庁の公式サイトでは、地域ごとの潮干狩り情報を提供しています。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/SODAN/shiohigari_calender/default.htm
※月の満ち欠けと大潮の日もチェックできます。
・持ち物は、熊手、バケツ、クーラーボックスや保冷剤、貝を入れる網の袋など。道具はレンタルもあるので事前にチェックしましょう。
・服装は、帽子に長靴、動きやすい服装で。寒くなったり、濡れたり、汚れたりすることもあるので着替えもあると安心です。
・タオルは何本かあると汗を拭いたり砂を落としたり、いろいろ使えて便利です。
・紫外線対策のサングラスや日焼け止めクリームもあると良いでしょう。
■あさりを採るコツ
どこの干潟でも手軽に採れたのでその名がついたといわれる「あさり」。潮干狩りでたくさんあさりを採るためのコツをご紹介します。
① 波打ち際にポツポツと小さい穴が開いていないかを探します。あさりが呼吸するために吸水管を出しているところです。
② あさりは浅い場所にいるので、10cm位掘っていなければ別の場所へ移動しましょう。
③ あさりは密集して生息するので、見つけたらその近くを探しましょう。
場所によっては、持ち帰りの量や値段が決まっているところもあるので、持ち帰るあさりも吟味すると良いかもしれません。模様のはっきりした、平べったい形のあさりがおいしいそうです。また、2cm以下の小さい稚貝は逃がしてあげましょう。潮干狩り場のルールやマナーを守って、楽しく大漁を目指したいですね。
持ち帰るときは、真水で洗ってから容器に入れ、かぶるくらいの海水を入れます。
■あさりのおいしい食べ方
採ってきたあさりは砂ぬきをします。
平らな容器にあさりが重ならないように入れ、あさりが半分ぐらい出る量の塩水(水500ccに対して塩大さじ1の割合)を入れて新聞紙などを被せ、暗い場所に4~5時間置きます。
あさりは潮汁や味噌汁などの汁物、酒蒸しやかき揚げ、バター焼きなどの料理やつくだ煮などの常備菜にもぴったり。
江戸時代、深川の魚河岸あたりで流行ったのが「深川めし」。もともとは、あさり汁をご飯にかけた賄い飯でした。今はこの漁師飯スタイルと、あさりを炊きこんだ炊き込みごはんスタイルがあり、「深川めし」の有名店でもお店によってスタイルが違います。