赤やピンク、白、紫など色鮮やかに、地面を覆いつくすように花を咲かせる「芝桜」。
4月~5月に花を咲かせ、各地で芝桜祭りも行われます。
■芝桜の名前の由来と特徴
芝桜は、北アメリカ原産のハナシノブ科フロックス属の多年草。茎は横に這うように広がり、春には赤やピンク、白、紫などの小さな花を咲かせます。芝のように低く広がり、花の形が桜に似ているので「芝桜」と呼ばれます。また、別名「ハナツメクサ(花詰草・花爪草)」ともいいます。
日当たりと水はけの良い場所を好み、寒さにも強く、多年草なので毎年花を楽しむことができます。
株いっぱいに花がつき、満開ともなると花のじゅうたんを敷き詰めたようになるので、色違いの花を組み合わせて花畑に絵を描いたり、グランドカバーとして土手などに植えたりと広く利用されています。また、自宅の花壇やプランターなどで楽しむこともできます。
■関東近郊の芝桜の名所
関東近郊にもたくさんの芝桜の名所がありますが、ゴールデンウィーク頃に見ごろとなるところをピックアップしてみます。
●富士本栖湖リゾート「富士芝桜まつり」
山梨県の富士本栖湖リゾートには、約2.4ヘクタールに約80万株と首都圏では最大級の芝桜の花畑が広がります。残雪が残る雄大な世界遺産・富士山を背景に、ピンクの花のじゅうたんがどこまでも広がる様子は絶景です。
毎年、開花時期には「富士芝桜まつり」が開催され多くの人で賑わいます。
●秩父羊山公園・芝桜の丘
埼玉県秩父市の武甲山の麓にある羊山公園では、武甲山を背景に「芝桜の丘」が広がります。斜面を利用して40万株以上植えられており、9種類の花を駆使してデザインされた色鮮やかな花のパッチワークは見ごたえ十分。東側から眺めた斜面のデザインは、秩父夜祭の囃子手(はやして)の紅白襦袢の模様をイメージしたものだそうです。4月中旬~ゴールデンウィーク中は秩父路の特産市も開かれます。
この他、群馬県高崎市の「みさと芝桜公園」、太田市の「八王子山公園」、館林市の「東武トレジャーガーデン」などが見ごろを迎え賑わいます。
■北海道の雄大な芝桜
5月~6月になると、北海道でも芝桜が満開となります。広大な大地を色鮮やかに染め上げる芝桜は、ちょっとスケールが違います。
●「芝ざくら滝上公園」北海道紋別郡滝上町
市街地中央の小高い丘にある「芝ざくら滝上公園」では、5月上旬から6月上旬にかけて公園一面に芝桜が咲き誇ります。その広さはなんと10ヘクタールの大群落で、日本最大級。 大群落は景観のすばらしさばかりでなく、町中がその甘い香りに包まれるほどだとか。
5月~6月の開花期間中は「童話村たきのうえ芝ざくらまつり」が開催されますが、ヘリコプターでの遊覧飛行もあるというスケールの大きさは北海道ならではですね。
●「ひがしもこと芝桜公園」北海道網走郡大空町
終戦直後、花好きの農家の若者が植えた一握りの芝桜の株から始まった芝桜の丘。いまでは見渡す限り芝桜が続く、10ヘクタールもある見事な景観の公園です。広い園内を回る遊覧バスがあり、展望台から見る景色は絶景。オートキャンプ場や温泉などもあり、ファミリーで楽しめる公園です。
この他にも全国にたくさんの名所があります。お出かけになってみてはいかがでしょうか。
2018年04月24日