庭先やベランダでも見かける「てんとう虫」。よく見られるのはナナホシテントウですが、てんとう虫には種類も多く、人の役に立つ益虫もいれば害をなす害虫もいます。
また、てんとう虫の名前の由来から、幸せのシンボルともいわれています。
■「てんとう虫」は幸せのシンボル
てんとう虫は、コウチュウ目テントウムシ科に分類される昆虫の総称です。
「てんとう虫」を漢字で書くと「天道虫」。枝や葉っぱの先端まで行って、行き場がなくなるとパッと上に飛び立つ習性があり、「お天道様に飛んで行く虫」ということで「てんとう虫」と呼ばれるようになったとされます。
てんとう虫がからだにとまると幸せが訪れるともいわれ、てんとう虫をモチーフにしたグッズなどを身につけるのも良いといわれます。
■てんとう虫の種類
てんとう虫の種類は多く、草木や野菜などにつくアブラムシをエサとして食べてくれることからから一般に益虫とされていますが、中には野菜を食べてしまうてんとう虫もいます。
益虫といわれるてんとう虫の代表格はナナホシテントウです。赤いからだに黒い星が七つ、てんとう虫といえば一番にイメージする馴染み深いてんとう虫です。また、黒に赤の星や、反対に赤に黒の星があるナミテントウも様々なアブラムシを食べてくれます。どちらも幼虫、成虫ともにアブラムシを食べてくれる益虫です。
また、キイロテントウは野菜の葉に発生するうどん粉病の原因となるカビを食べるので病気が広がるのを防いでくれる益虫です。
しかし、野菜の葉を好んで食べ、害虫といわれるてんとう虫もいます。ニジュウヤホシテントウと呼ばれる種類はその名の通り28個の星がついています。こちらは見つけたら追い払った方が良いですね。
■目立つ姿で身を守るてんとう虫
赤い背中に黒い点、また黒い背中に赤い点など、てんとう虫はよく目立ちます。鳥などに見つかりやすそうですが、どうしてこんなに派手なのでしょうか。
この派手な色は「警告色」と呼ばれるもので、毒がある、または、食べても嫌な味やにおいがするというサインなのです。
てんとう虫は危険が迫ると脚の関節から黄色い汁を出しますが、これがとても苦く、てんとう虫を捕食した鳥などは吐き出してしまうほどまずいのだそう。「この派手な色の虫はまずくて食べられない」という印象を与え、次から狙われないようにするのです。てんとう虫の派手な模様には、自然の中で生き残るための大切な役割があったのですね。
2020年05月27日