日本の食文化に欠かせないみそ。からだに良いみそ汁は、「Miso soup」として海外でも注目されています。各家庭に定番のみそがあると思いますが、みそにはさまざまな種類があり、お店に行くと迷ってしまうことも。みその違いを知っておくと、お料理にも役立ちます。
■原料の違い
みその主な原料は大豆と塩で、そこにどんな麹を足すかで違いが出ます。麹の違いで、「米みそ」、「麦みそ」、「豆みそ」と、これらを混合した「調合みそ」に分けることができます。
【米みそ】大豆に米麹を加えて作ったもの。
【麦みそ】大豆に麦麹を加えて作ったもの。
【豆みそ】大豆に豆麹を使ったもの。従って、主原料は大豆のみになります。
【調合みそ】「米みそ+麦みそ」、「米みそ+豆みそ」など、異なる2種類以上のみそを合わせた製品や、複数の麹を混合して醸造したみそを指します。
また、調合みそに対し、1種類の麹を使ったみそを単独麹のみそといいます。調合みそは、単独麹のみそに比べてクセがなく、マイルドな風味のものが多いといわれています。
■味加減の違い
みそを「甘口」、「辛口」というように、みその味加減にも違いがあります。
みその味加減は、麹歩合と塩の量によって決まります。麹歩合とは、原料の大豆に対し、麹の割合がどれくらい占めるのかを表した比率のこと。例えば、大豆10kgに対し麹7kgで作ったみその場合、麹歩合は7歩となります。
塩の量が同じであれば、麹が多く入っている=麹歩合が高めのほうが甘口のみそになります。
■色の違い
みそは出来上がりの色によって、「白みそ」、「淡色みそ」、「赤みそ」の3種類に分けられます。
大豆など原料の種類、大豆を煮るか蒸すか、麹が多いか少ないか、発酵の途中でかき回すかどうかなど、さまざまな条件によって色が変わってきます。
また、発酵・熟成期間中の「メイラード反応」という化学変化によって、味噌は赤っぽくなります。「メイラード反応」は、アミノ酸が糖と反応して褐色に変化することをいい、醸造期間が長くメイラード反応が進むほど、みその色が濃くなっていきます。
■地域による違い
気候風土によって育まれるみそも違います。その土地ならではのみそがあり、実に多様なみそがあります。
全国的には「米みそ」が多いのですが、中部地方では「豆みそ」、九州や四国の一部では「麦みそ」が多くなります。
・米みその例:仙台みそ、信州みそ、江戸甘みそ、関西白みそなど
・豆みその例:名古屋みそ、三州みそ、八丁みそなど
・麦みその例:薩摩みそ、瀬戸内麦みそなど
みそはさまざまな料理に幅広く使えます。料理によって使い分けたり、組み合わせたりすることで味の深みも増しますので、お好みのみそを探してみてくださいね。
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【旬の味覚と行事食】手作りみそ
https://www.i-nekko.jp/shoku/2019-011610.html
2020年03月23日