2021年11月10日

毎年11月にズワイガニ漁が解禁され、おいしそうな蟹が市場にたくさん出回るシーズンとなります。一口に蟹といっても様々な種類がありますが、食用で人気が高いのはズワイガニ、タラバガニ、毛ガニなどではないでしょうか。おいしい蟹の豆知識をご紹介します。

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■ズワイガニ
ズワイガニの旬は、雌と雄で異なります。雌は漁が解禁される11月から翌年の1月頃、雄は3月頃までとされます。日本海西部の産地によってブランド化されている種類が一番多く、山陰の「松葉ガニ」、福井の「越前ガニ」などは古くから有名です。タラバガニより甲羅が小さく、ツルツルしていて、足も細くて長いのが特徴です。その足が枝のようなので木の枝を意味する「楚(すわえ)」から「スワエガニ」⇒「ズワイガニ」になったとか。
山陰の「松葉ガニ」という名前は、足の形が松葉のようだから、足を折ったときに出てくる筋が松葉に似ているから、昔は松の葉を使って焼いたりしたから、活きた身を氷水につけると松葉のように広がるから、などいろいろな説があって興味深いです。福井の「越前ガニ」は、もちろん産地の地名からきていますね。その他のブランドも産地名をつけたものが多いです。
ズワイガニの身は甘味と旨みが濃厚なので、刺身や蟹しゃぶなどで食べたいもの。蟹みそも濃厚です。

■タラバガニ
タラバガニは蟹と呼ばれていますが、厳密には蟹ではなくヤドカリの仲間です。普通の蟹はハサミを含めて脚が5対(10本)なのに対して、タラバガニは脚が4対(8本)しかないように見え、その他の色々な差異もヤドカリと合致します。
日本の漁場はオホーツク海で、タラ漁の漁場で獲れたことから「タラバガニ」と呼ばれるようになったといわれます。国内では北海道産がほとんどで、旬は4月~5月と11月~2月の2回あります。しかし、国内で流通しているのはごくわずかで、ほとんどはロシア産だそうです。
タラバガニは蟹の王様ともいわれ、からだが大きく足も太いのが特徴です。 肉厚で食感はプリプリとして食べ応えがあります。飽きのこない淡泊な味わいで、茹でても焼いても美味しく食べられますが、ヤドカリの仲間なので蟹みそはほとんどありません。

■毛ガニ
殻にビッシリと毛が生えているところから「毛ガニ」といわれます。
毛ガニ漁は北海道沿岸で一年中行われています。水温など環境の違いで脱皮や産卵の時期が変わるので、オホーツク海沿岸では流氷が去った春から夏、釧路や根室では秋、十勝地方は冬といったように産地によって旬の時期も変わります。毛ガニは資源保護のために甲羅の長さが8cm以上の雄だけが漁獲されます。
サイズは小さめですが味は絶品で、濃厚な蟹みそがたっぷり詰まっているところも蟹好きにはたまらないところでしょう。塩ゆでで食べるのが一般的ですが、どんな料理にしてもおいしいです。

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■蟹の足の数え方と「蟹」という字が表す蟹の特徴
蟹は生きているときは1匹、2匹と数えますが、商品として数えるときは、1杯、2杯と数えるのが一般的です。
大きい蟹を丸ごと1杯、購入したらかなり高額ですね。ズワイガニやタラバガニのような大型の蟹は、店頭では切り分けて売られていることがほとんどです。胴体を半分にしたものは一肩(ひとかた)、胴体から外された脚や爪先は1本2本と数えます。
このように蟹はバラバラにされて売られることが多いですが、「蟹」という字も、蟹の特徴をよく表している字なのです。
「蟹」は、まず「解」と「虫」とに分けられます。「解」という字は、「角」「刀」「牛」から成り、「刀」で「牛」の「角」を切り離すさまを表し、「分ける」「バラバラにする」「わかるようする」などの意味があります。「虫」は古代中国では小動物の総称でした。
つまり「簡単にバラバラにできる生き物」という蟹の特徴を表しているのです。

■蟹の選び方と冷凍の蟹の解凍のコツ
蟹を選ぶときには、一般に、色つやが良く黒ずんでいないもの、大きさに対して重いもの、甲羅や脚が固いもの、腹部が白いものを選ぶと良いでしょう。
産地以外では獲れたての蟹をいただくことは難しいので、冷凍の蟹を購入することが多いと思います。上手に解凍しておいしくいただきたいですね。
ボイル済みの冷凍蟹は、キッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて乾燥を防ぎ、溶けだした水分がこぼれないように深めの受け皿に入れます。毛ガニの場合は蟹みそが流れ出ないよう甲羅を下にして置きます。それを冷蔵庫に入れたら、大きさにもよりますが半日~1日半ほど時間をかけてゆっくり解凍します。電子レンジでの解凍はおすすめできません。
生の冷凍蟹は、時間が経つと黒ずんできて味も落ちてしまうので、流水解凍で手早く解凍するのがおすすめです。

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